第44章「季節石化」
さて光覇明宗の本山を目指す潮、だけどもそこにはやはり潮の記憶を失った厚沢さんが。
写真や書類的な物を使えば息子だと証明することは簡単なんですがね…まぁ潮は免許証持ってないからなぁ…
そしてやっとこさ本殿にたどり着いた潮でしたが…
光覇明宗の法力僧が全員アストロン!
紫暮、和羅、杜綱、日輪の石像は確認できますが純と凶羅は見つかりません。凶羅はまぁ当然でしょうが、純は単なる書き忘れでしょうか?そもそも女性の法力僧ってのはお役目様を除けば日輪と純しか見当たらないんですよね…
そして東京へ戻った潮でしたが…ここで急展開。真由子を連れ去ろうとする妖怪登場!
華鎚!
結界自在妖である東の華乃狐と西の間鎚の合体妖怪です。はっきりいって白面の者との最終決戦において役立った妖怪はこの華鎚だけだったという噂もチラホラ。上手く戦えばシュムナすら倒しかねない最強の妖怪です。
そんなわけで拉致られた真由子、その理由は真由子がこの人の血を引いているからでした。
う~む、真由子とジェメイの顔がそっくりなのにはそういう理由があったんですな。作者が人物の顔の描き分けができなかったわけではなかったんですよ、車田正美や高橋陽一とは違うんですよ(笑)
さて捕まった真由子と麻子はのんきにガールズトーク。
アゴにパンチを入れるんじゃない(笑)
さて獣の槍を創るための人身御供に選ばれた真由子、もちろん麻子が黙っちゃいません。
麻子「妖怪さん達、ね、こういうのはどう?真由子は白面の者を封じる程の能力があるんでしょ。もったいないじゃない白面と戦争するのなら、そういう力はあってありすぎるってことはないわよね…」
男の自己犠牲は涙腺を刺激する鉄板の展開なんですが、女の自己犠牲ってのはあんまり見たことがないし涙腺にも響きませんな…
真由子「麻子、何いってるの…」
麻子「だまって真由子!」
「鈍感」という言葉はもちろんよく使いますが、「鈍だからさ」なんて言う女の子いねーぞ(笑)
つーわけで人身御供は麻子に決定。
女の自己犠牲がなぜ心に響かないか分かりました。女が自らの身を犠牲にするとき、そこにはえてして痴情のもつれがあるからですよ(笑)
その頃ようやく潮到着。
潮「オレはあの時ジエメイさんを…つかめなかった…どうしてつかめなかったんだろう…そうすりゃジエメイさんもギリョウさんも死なずにすんだのに…」
とら「何だよ。ありゃしゃあねえだろオが…」
潮「いや…ホントは…わかってるんだ。」
潮「オレが死ぬ気で飛んでたら…」
とら「ドアホウ!そんなコトしてたらおめーも燃えてたろーが!見ろ、あそこだ!くだらんコト考えてねーで用意しろ!」
潮「ああ。」
人間の手の掌ってのは大切な物を掴むためにある、当たり前のことなんですが藤田和日郎に描かれると心に染み入ります…
そんなわけで真由子の身代わりに灼熱の炉にダイブする麻子。
麻子「なあんだそうかァ…ねえ真由子…あなたの好きな槍の人が…私を好きだっていったわよね…安心して…その人じゃなくて…」
このまま溶けていけばターミネーターなんですけどね。2でのシュワちゃんの最後はかっちょよかったもんなぁ…
麻子を炉の外へ蹴り飛ばした方が早いし確実だと思うけど(笑)
そんなわけで漫画の王道、ギリチョンのタイミングで到着した潮が飛び込みます!
そして結果は…
ヒロイン黒焦げ(笑)
ヒロインが死ぬ漫画は探せばあるでしょうが、ヒロインが全身焼き焦げる漫画はうしとらだけでしょうよ。まぁデビルマンのヒロイン美樹ちゃんの末路には到底勝てませんがね(笑)
つーわけで重症の麻子を一刻も早く病院に連れて行きたい潮、だけどその背後では黒炎たちに襲われる妖怪達…
潮「麻子ゥ…麻子ゥ…麻子ゥ…ごめんなァ…オレが…こんなコトに首つっこまなけりゃよう…オレが獣の槍なんか見つけなきゃ…オレが白面と戦わなきゃさァ…こんなことに…おまえを巻き込まなかったよなァ…助かってくれなァ、麻子ォ…」
男とはこーゆー生き物なんです。大切な人が苦しんでいたらもちろんその人のそばにいてあげたいと思うんですよ、だけどもそれは仲間が殺されるのを黙認できるということにはならないんです。つまりね、男女では優先順位というものが違うんですよ。女はとにかく自分の身近な人間、子供や家族や両親を守ろうとするんですが、これに対して男は身近な人間ほど後回しにするんですよ。どちらが正しいという問題ではなく、DNAに刻まれた本能の問題でしょうな。雌は我が子を守り雄は群れを守る、哺乳類としてのその本能が深層意識に残ってるんですよ…
そんなわけで潮ととらは黒炎を撃退!
東の長「造れぬ…あれほどの獣の槍は我らには造れぬわ…」
西の長「そ…そうじゃ。そしてあの槍を持つあの人間が、あの妖と二体で戦う時…」
東の長「あの二体はまさに…まさに…」
うしおととらという漫画を最も端的に表す言葉、それは「二体で一体の妖」です。ここに異論を挟む奴はおらんでしょな…
第45章「雨に現れ、雨に消え」
この第45章もね、かっこいいんですよ。第45章は8つに分かれてるんですが、それぞれの章題が…
其ノ一「去り、消え…」
其ノ弐「去り、現る…」
其ノ三「現れ、去る…」
其ノ四「現れ、そして現れ…」
其ノ五「雨に進み…」
其ノ六「手に入れる、失い…」
其ノ七「現れ、壊し…」
其ノ八「現れ、消す…」
真のうしとらマニアならそれぞれの言葉が何を指しておるのかは分かるんですがね、ちょっとこの45章はそれぞれの章題に留意しつつ進めてみましょーか。
まず其ノ一「去り、消え…」まず潮の前から去ったのはこの子です。
真由子「麻子、私の身代わりでこんなになってごめんね…でも、私は私のやる事をちゃんとがんばるからね…槍の人とおばけさんが帰ってきたら…小夜ちゃん、伝えてくれる。」
真由子が四代目のお役目となるため旅立っちゃうんです。ちゅーかジェメイさんが四代目お役目となる人物に対してもっと事前にアプローチしておくべきだろとも思いますが…
そんなわけで己の使命を果たそうとする真由子を見た小夜さんも自分の役目を頑張ると決意。
小夜「うしおくん、真由子さんはいったわ。人はその人のやるべき事をがんばればいいって…」
潮「うん。」
小夜「私はわかったの。私がうしおくんととらさんの記憶を残していたのも、きっと何か意味がある…私は自分の役目をがんばってみるつもりです。」
潮「小夜さん。強くなったなァ…」
一番まぶしいのは潮の笑顔なんですけどね…
そして麻子を抱きかかえ潮は病院へ。
小夜「オマモリサマ、小夜は悪い娘です。うしおくんの腕の中の麻子さんを見た時…私は…」
やはりうしとらガールズの中では小夜さんが1番可愛らしいですな。元気な麻子、天然の真由子も良いんですが、この小夜さんの奥ゆかしさ、これこそ大和撫子です。だって自分のことを「~は悪い娘です。」なんて現代人にはなかなか言えないでしょうよ!
そして消えたのは病院に収容されたはずの麻子。次に其ノ弐「去り、現る…」潮の下を去ったのはキリオ、そして代わりに現れたのは守矢さん。
おいおい、守矢さんいつの間にか俺より年下かよ…
そして問題の其ノ三「現れ、去る…」雨の中、潮の前に現れたのはこの男!
両手離してバイクが走るわけないという事実はさておき、ここではバックミラーに注目ですな。バイクのハンドルの端に付けるこのタイプのミラーをバーエンドミラーといいます。かっこいいんですけどね、これを付けると渋滞の時にすり抜けがとても難しくはなってしまうんですよね…
つーわけで現れたのは流兄ちゃん、潮は守矢さんが白面のスパイで流兄ちゃんは助けに来てくれたんだと推理しましたが…
潮「そうだろ、流兄ちゃん!」
流「…ワリィなァ…」
あの優しかった流兄ちゃんの顔を一瞬にして悪人ヅラにしてしまった藤田和日郎、やはりその画力は高いですよ。好き嫌いはあるでしょーが。
そして去ったのも流。
潮「流兄ちゃん…ホントに白面のスパイなのかよ…?もしかしたら婢妖に…」
流「はっはっ、いつだったかの杜綱みてーにか。お前の考えそーなトコだな…いっとくぜ、オレは正気。婢妖にあやつられてんじゃねえ。」
潮「そっ、それじゃなんで…?」
このようにバイクのエンジンを脚で蹴って始動するのをキックスタートと呼びます。原付に乗ってた人なら使ったことはあるでしょう、がしかし今販売されてるバイクでキックスタートを使わなければエンジンを始動できないバイクはたぶん存在しません。なぜなら全てのバイクにセルモーターが搭載されていて指先一本でエンジンがかけられるからです。ここから流兄ちゃんのバイクはセルが付いてない旧車だということが分かるわけですな…
そして其ノ四「現れ、そして現れ…」まず現れたのは偽ジェメイ、次いで現れたのはHAMMARのニコラス博士とマルコ博士。
其ノ五「雨に進み…」雨の中を進んだのは重症のはずの麻子、偶然それを助けたのは歩ちゃん。
東京人は不親切で無関心だなんていいますが、実際東京に住んでると優しくて親切な人をいっぱい見かけますよ。ただその人達は東京生まれじゃないんだろうなぁと思うだけのことです(笑)
其ノ六「手に入れ、失い…」手に入れたのは石喰いの鎧、そして失ったのは…
マルコ博士から渡された手紙に書かれていた内容を失ったんです。つまり潮は人として生きる未来を失ったということですよ…
そして其ノ七「現れ、壊し…」現れたのは…
新型黒炎!
レーザー装備を搭載した黒炎です。ONE PIECEのパシフィスタみてーなもんですな(笑)
そして壊されたのは字伏と潮の生家。さらに其ノ八「現れ、消す…」現れたのは首だけになった字伏、消されたのは黒炎でしょうかね…
まぁそれぞれの題名の解釈にもしかしたら間違いがあるかもしれませんがね、うしおととらをもう一度読んでみようと思う人は題名にも留意しながら読み返してくださいということが言いたかったわけです。
第46章「不帰の旅」
そんなこんなで新型黒炎を撃退した潮ととらは最後の戦いに旅立つんです。
この時点では読者には知らされてはいないんですよ、マルコ博士からの手紙に書かれていた内容を。潮はこの戦いが終わればもう人間には戻れなくなるんです…もうここには帰って来れないんです…この戦いは不帰の旅になってしまうんです。それでも……潮は旅立つんですよぅ!
いよいよここからはうしおととらクライマックスですな…