さてクズ校vs新庄東和、徐々に新庄が追い上げます。
それは「スタミナ」です。バスケはサッカーや野球とは違い、交代してもまた何度でも試合に戻れます。その理由は「フル出場するには体力的に厳しすぎるから」です。まぁフル出場することも可能なんですが、疲労は間違いなくプレーのクオリティを落としちゃいます。フルタイム戦い抜くためのスタミナが要求されるスポーツとは異なり、途中交代することが当然予定されているバスケにおけるスタミナとはクオリティの高いプレーを少しでも継続し続けるためのものなんですよ。
さてここで新庄第3の男柏木がゴール下へ暴走。チャージングをもらったかに見えましたが、千秋がテクニカルファウルをとられました。
酒巻「テイクチャージのために腰を引いたんじゃなく…」
OFからチャージングの反則をもらうことをテイクチャージといい、これをやるとかなり周りから褒めてもらえるんですが、やはり恐怖心はあります。その恐怖心に負けて手を出してしまうとテイクチャージにはなりにくいので、やはり身体で受け止めなければなかなかチャージングはとってもらえません。身体が小さい奴にとっては大変なプレーです。
児島「オマエ達と違ってよ、高校からバスケ始めんのァ大変なんだぜ。俺らが小学校からやってきたもんをたった3年で修得しなきゃならねんだかな、キツイわそりゃ。練習帰り皆がゲーセンで遊んでる時間、まだ体育館に灯りがついてるのを知ってるか?誰よりも早く体育館に来て真っ先にコートをキレイにしてる奴を知ってるか?目の前にいる偉大なプレーヤーに憧れて、毎日届きもしねェ努力をくり返してるバカを俺は一人知ってる。」
それを見た高橋は…
つーわけで流れは新庄に傾きます。空の体力ももう限界でしたが、それでも走ることをやめません。
『代えられぬ想い 後悔も 代償も 嫌というほど経験してきた 勝利して得るものなんて ひょっとしたらちっぽけなことなのかもしれない』
つーわけで再び茂吉投入。何もできずの交代にイラつく茶木でしたが…
どんな部活動でもそーなんですが、高校からバスケを始めてもまず一級品にはなれません。たった3年間で出来る事は限られてるわけで、基礎からやってる時間は高校生には無い。だけども、一級品にはなれなくともチームの力になることはできるんです。こーゆーチームは強くなるんです。
たしかに「試合に勝ったから何なの?」と言われると即答できませんな。勝利の先で得られる喜びなんてホント些細なものなのかもしれません。だけどそれを求める人間の欲求は尽きないんです。麻薬のようにハマったら抜け出せない、勝利の味ってのはそんな中毒性がありますね…
この願いは叶いませんでしたが、まぁ別の形で引き継がれたという感じですかね…
お母さん「監督…私が…?」
酒巻「いい話じゃねぇか。受けてやれよ。」
お母さん「…でも…」
酒巻「未来ってのは希望だ。希望ってのは命だ。」
いい事言います。全ての大人がこう考えたら日本は良くなるかもしれませんね。だけど逆に大人が子供のためにあれやこれややっちゃうと甘ったれた子供ばっかりになっちゃいそうな気もしますな…
さてついに空も体力の限界。
空「悔しいなぁ…トビ君みたいなスピードがあれば…百春君みたいに高く跳べたら、千秋君みたいなパスセンスがあったら…」
茂吉「車谷君…僕らが最初に交わした言葉を?」
空「ハジメマシテコンニチワ」
茂吉「そしていずれ到達する。バスケットプレーヤーの頂点に。」
背が高くてセンターしかやらせてもらえないというのは結構しんどいものなんですよ。センターの仕事は地味なくせに辛いですからね。俺も草バスケのチームだとそれなりに背がある方なのでCやPFをやらざるを得ないんですが、ホントはFWがやりたいんです。背が高いと羨ましがられることは多いけども、背が高いゆえの葛藤というのもあるんですよね…つーわけで再び茂吉投入。何もできずの交代にイラつく茶木でしたが…
鍋島「あせんなよチャッキー。きっとこのラインから向こうは聖地みてーなもんなんだよ。何年も何年も努力してきた奴らだけが戦うことを許される、そーゆーとこなんじゃねーのかな。俺タチみてーな中途ハンパな連中がアイツらとはれるワケがねェんだ。」
チャッキー「…だな。」
さぁクズ高4点リードで残り1分。
いやー、このパスは無理。背中越しに右リストだけでDFの上を越えるパスは出せません…
さてここで空のお母さんは会場から病院へ戻ります。
お母さん「先生?さっきね、昔の知り合いに…先生と同じことを言われました。」
さて試合は大事なリバウンドの場面。新庄の田茂は茂吉をガッチリ抑えますが…
さて残り18秒で1ゴール差、もちろん新庄はオールコートプレス。