さて、こんな新タイトルやってみます。
ダンジョン飯! まぁタイトルからどんな作品か分かりそうなもんですが、とりあえず読んでみましょう。
まずは主人公。 ライオス!
それなりに戦闘能力は高そうですが、このダンジョン飯という作品においてそんなものに大した意味はありません(笑)
そんなライオス、ダンジョンの最深部で全滅の危機に瀕します。 襲ってきたのが炎竜、食われたのがライオスの妹のファリン。この炎竜がおそらくラスボス的な立ち位置になるのかもしれませんね…
しかし食われ際にファリンが唱えたリレミト的な呪文でダンジョンから脱出したライオス、残った仲間は…
マルシル!
エルフの魔法使い、ファンタジーの定番ですな。まぁこの作品においてエルフという種族には何の意味もありませんけどね…
チルチャック!
人間よりも感覚が鋭敏なハーフフットという種族です。まぁそんなこともこの作品では意味のないことですね…
ダンジョン飯の世界においては死亡しても蘇生が可能です。つーわけでファリンが完全に消化されてしまうまでの1ヶ月、これがダンジョン飯におけるタイムリミットということです。
がしかし持ち物をほとんど失った一行、経費節減のためライオスが選んだ手段は「自給自足」。
ダンジョン飯という漫画は「人間がダンジョン内で自給自足可能か?」という点だけを描く漫画です。ファンタジー作品ではありますが、アドベンチャーものでもバトルものでもありません。あえてジャンルを分類するならファンタジーグルメとでもいうんでしょーか…
こーゆー漫画です(笑)モンスターを殺して食う、やってることはトリコと変わりませんが、トリコはモンスター自身が美味な食材であるのに対して、ダンジョン飯はどーやっても食欲をそそらない気持ち悪いモンスターをなんとか食えるようにできないかと工夫する、そんな漫画です。
そしてこのパーティーにおいて最も性格に問題があるのは主人公のライオスでした。 主人公がサイコパスという漫画はなかなかに少ないとは思いますがね…
さて今日の獲物の歩き茸を捌くライオス。
「キノコ系のモンスターは上段から斬り落とせば簡単に裂けるんじゃないか?」なんていうどうでもいい事を子供時代に想像しながらゲームをしてた人間はさ、このダンジョン飯を読めばハマると思いますね。
さてこの歩き茸を大サソリと共に煮てみますが、その味は激マズ。そこに現れたのが…
とここでマルシルがスライムに襲われますが、センシはこれをナイフ一本で撃退。
そんな干しスライムのために…
そんなこんなで完成したのがこれ!
そんなわけで炎竜を倒しファリンを救い出すための旅に同行してくれることになったセンシ。
さて第2話。何が食べたいかと聞かれ「何でもいいよ」と答えたマルシルでしたが…
つーわけでマルシルの希望通り、今回は木の実を食べることにしましたが…
そんな人喰い植物の実の皮をフライパンに敷き詰め、果肉とスライムとサソリ汁を混ぜ合わせて加熱、最後に木の実を散らせば…
さて第3話。そろそろ脂分を肉体が欲し始めます。さらに卵も食べられれば栄養的には満点だということで、次の獲物は…
さて次は野菜不足なのでマンドレイクを収穫します。そのやり方は…
そしてオチは… タイムボカンシリーズや藤子不二雄作品を彷彿とさせる落とし方ですね…
そんなわけで油の罠が発動。
つーわけでダンジョン内で揚げ物完成。
マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天!
以上、ダンジョン飯第1巻。久しぶりに「これ面白いな」と思う漫画に出会いました。「ハルタ」という年10回刊行される雑誌に掲載されている漫画らしいので知名度は相当低そうですが、個人的にオススメの一冊です。
センシ!
基本的にこのダンジョン飯という漫画における登場人物は、センシを加えたこの4人だけです。新キャラを出したりして盛り上げる必要がないんですよ、なぜならグルメ漫画だから(笑)
そんなセンシは魔物料理の達人。
作者の想像にすぎないんですよ、こんなのは。だけどさ、大サソリを仮に食べるとしたら…っていう想像それ自体がすでに楽しいことなんですよねぇ…
スライムの体内構造、こーゆーのを真面目に想像するのも楽しいもんなんですよ。ファンタジーの世界の物事を真面目に考えるなんて不毛だと思うかもしれませんが、不毛だからこそ逆に面白いんです。
つーわけで倒したスライム、これも食えます。 「干しスライムの名産地 春の風景」ちょっとニヤリとしてしまいます。立ち読みはしない方が良い漫画ですね、立ち読みでニヤけてる奴はこの上なく気持ち悪いですからね…
この「特許出願中」とかさ、なかなかに笑いのツボを知ってる作者ですよ。それにしてもこのダンジョン飯という漫画、我が家に腐るほど並んでいる漫画ライブラリの中で初めての女性作者の漫画です、たぶん。
大サソリと歩き茸の水炊き!
まぁ確かに料理の基本つったら丸焼きか水炊きでしょう。がしかし注目すべきは干しスライムの千切りがマロニーちゃん的な役割をこなしている所ではないでしょうか(笑)マロニーちゃん入ってない水炊きなんて認めらんないもんなぁ…という第1話です。なんとなくさ、第2話も読んでみたくなるでしょ?まぁそれは次の展開云々ではなく、次の食材が気になるということなんですけどね(笑)
たしかにいますね、こーゆー子(笑)
そりゃそーなりますわな…
人喰い植物のタルト!
まぁ全ての植物は人間の死体を養分として成長できないことはないでしょうから、その意味では全ての植物が人喰い植物だと言えるかもしれませんからね…
バジリスク!
うん、これは美味そう(笑)鳥タイプの味は鉄板ですよね…
そんなバジリスク、挟み撃ちで倒します。
スライムだとか大サソリだとかバジリスクだとかの倒し方を真剣に考える、このくだらなさが良いんですよね…
そんなわけでバジリスクに薬草や毒消し草を詰め込んで焼き上げれば…
ローストバジリスク!
うん、やっぱり鳥肉は間違いありませんね。問題なく美味そうです。
有名なやり方ですね。マンドレイクを引き抜く時の悲鳴を聞くと人間は死んでしまいますからね…
ここで素朴な疑問。
しかし自分の方法が正しいことを証明したいマルシル、犬の代わりに大蝙蝠を使ってマンドレイクを引っこ抜きます。 たしかにその通り。わざわざ犬を犠牲にする必要は無いですよねぇ…
そしてベテランのセンシはさらにその上をいきます。 抜く前に首を落としちゃえば叫ぶこともない…これも正論です。そもそも犬に抜かせるなんていう方法が非効率的過ぎますよね…
ちなみにマンドレイクとは実在する植物です。日本に自生してはいませんが、その根には神経毒が含まれています。
さてこのマンドレイクと合わせるのはバジリスクの卵なんですが、その卵は鶏の卵よりも蛇の卵に近いんです。その理由は…
う~ん、斬新な解釈です。我々はバジリスクを先入観で見てしまっているんですよね。尻尾が蛇なんだという先入観さえ捨て去ってしまえば、尻尾が鶏なんだという解釈は十分成り立ちますからね…
そんなわけで今回の料理は…
マンドレイクとバジリスクのオムレツ!
ここに米があればオムライスにしたんでしょーけどね。まぁ卵は栄養豊富ですからね…
さてさて、ダンジョンといえば定番なのは冒険者を待ち構える罠。その罠の中に煮えたぎった油を噴射する罠があったので、センシはその油で揚げ物を試みます。
「案ずるな。」「案ずるわ!」こーゆー掛け合い、良いんですよね。飾らないツッコミというのか、率直でシンプルだからこそ小気味良い感じが出て好きです。
センシとチルチャック、良いコンビですね。ただ登場人物が少ないがゆえに、このダンジョン飯という漫画を長期連載していくのならばこの辺りの掛け合いがマンネリ化しないように頑張らないといけませんね…
マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天!
確かにかき揚げにしてしまえばどんな野菜であろうとも食べられる感じはしますね。雑草でも美味しく食べられそうだもんな…
そしてラストに登場するモンスターは動く鎧。そもそも動く鎧がどーやって動いているのかという素朴な疑問が生じます。
つーわけで動く鎧を解体してみたライオス、鎧の中身は何も無かったんですが…鎧の隙間にやはりいました。
しかしセンシも調理したことの無い食材、そもそも食べられるのかが問題ですが…
つーわけで動く鎧も食っちゃいます。
動く鎧のドワーフ風炒め!&動く鎧の蒸し焼き!&動く鎧のスープ!&焼き動く鎧!
「動く鎧は魔力で動いている」と言ってしまうのは簡単ですけどね、それじゃあまりにもつまんないし、そもそも術師はどこにいるんだということにもなります。生物が動くからにはそこに筋肉的なものが存在してそれを伸縮させながら動いていると考えるべきですからね…
なるほど、動く鎧というのは各パーツがそれぞれ独立した生命体であり、それが集合して形成されているモンスターであると。確かにそれならバラバラになっても動き回ることを無理なく説明できますね…
軟体生物ってのは食べるのに勇気がいりますよね。カタツムリやナマコを初めて食べた人類は相当の勇者ですよ(笑)
動く鎧のドワーフ風炒め!&動く鎧の蒸し焼き!&動く鎧のスープ!&焼き動く鎧!
焼き動く鎧っていうのはナイスなネーミングです。おそらく人類の歴史で初めて使われた言葉だと思いますよ、焼き動く鎧って(笑)
そして巻末には今回食べたモンスターのよもやま話が掲載されてます。まずは歩き茸ですが、愛好家もいる食材でした。
お次はマンドレイク。
ラストは動く鎧。
たしかにマタンゴって結構なホラーなんですよね。身体がキノコになっていくのは相当に恐怖ですよ…
最初から人の形をした鉢で育てれば簡単なような気もしますけどね…
うん、よく考えられてると思います。これから動く鎧に関してはこれをスタンダードにしてもよいんじゃないでしょーか。