さてしろがね-Oから逃げる勝、守ってくれるのは衝月さん。
しろがね-O「ムダなコトよ、てめえはもうすぐ死ぬ…そしたらそんなガキなんざ5秒で捕まえてやらァ!」
衝月「それはどうかな。」
グリポン「貞義サマ、あんたそれ、フラフラとしか操れなかったじゃないスか!そんなんで勝てるわけないでしょー!トートツになんで戦う気になるかねえ⁉︎」
勝「とうとつに…か…」
そして勝はしろがね-Oを5人撃破。
しろがね-O「…信じられん、あんなガキが…フェイスレス指令の記憶をある程度転送されてたのは知ってたけど…体は頭の思いどおりには都合よく動かないハズだ…それが…」フェイスレス「集中してるんだろうさ。」
しろがね-O「集中とは?」
フェイスレス「おそらくあいつは死ぬ程この戦いに集中している。自分の心を刃物の切っ先よりまだ鋭くしてな。人間はそんな時もの凄い力を出したりするものさ。」
しろがね-O「それだけのワケでフツーのガキが…」
さてフェイスレスは不要になったグリポン君を分解。
グリポン「まいっ…たなァ…貞義…サマ…でも、まァ仕方ないか…」
フェイスレス「勝君、君は僕の転送後の身体になるために…死んだ君の母親ごと僕に金で買いとられたんだよ。」
グリポン「自分は貞義様に造られたんだもん…存在も消滅も…全部造物主サマのお心しだい…さ…」
フェイスレス「いわば君は僕の所有物だ、勝君。君をどうしようと僕の自由なのさ。」
グリポン「どうされても…文句は言えないっスよ…」
勝「ちがうよ…」
つーわけで勝からフェイスレスへ痛烈な反撃。
勝「わかったんだ、フェイスレス。200年間、女の人たちが誰もあなたを好きにならなかったわけが。あなたはグリポン君にしたように、要らなくなったものをすぐに捨てる。それが人間であっても…信じる心を踏みにじり、命すらなんとも思わないで。」
さてそれでも揺らがないフェイスレス、勝に自分を転送すればエレオノールは自分のことを愛すると確信してるんです。
勝「な、何を…勝手なコトを…そんなに、あなたの思いどおりになんて…なるもんか…」
フェイスレス「いや!うまくいくね。」
フェイスレス「自分を信じて夢を追い続けていれば…」つーわけで勝vsフェイスレス。フェイスレスの油断に乗じて勝はフェイスレスの右腕を斬り落とします。
フェイスレス「ちいい~油断したわ!」
勝「同じ記憶があっても、圧倒的に弱いぼくには…」
さて石化する正二、最後に勝に託した願いは2つ。1つはエレオノールを護る事、そしてもう1つは自分の事を一切エレオノールに伝えないこと。
勝「そんなのひどいよ!それじゃおじいちゃんがいなくなってもしろがねはおじいちゃんを思い出せないじゃないか!本当のお父さんなのに!おじいちゃんがかわいそうだよ!おじいちゃんの人生はなんのためにあったの?」
正二「人生か…」
つーわけでついに正二がからくりサーカスの舞台から退場します。
考えてみると正二ほど数奇な人生を歩んだ人はいません。白銀先生と出会ったのも偶然ならアンジェリーナと出会ったのも全くの偶然ですからね。偶然が続いた正二の人生、これはもはや偶然ではなく運命と呼ぶべきか…
「あら、主さんも。」
正二「そうか、だが…私はおまえのおる場所へは行けまい。私はおまえのおらん後の世で罪を重ねすぎた…エレオノールを守りたい一心から多くの人達に辛苦を強いてしまったのだ。」
正二「特に私が勝に頼んだ身勝手な…」
正二「いいや…違うとるぞ…」アンジェリーナ「え…」
藤田和日郎の真骨頂炸裂です。これほど上手く人を死なせる漫画家はホントいません。うしおととらでほぼ完成されていたかと思われていましたが、このからくりサーカスではその一段上をいきます。登場人物の大半が途中で舞台から退場していくからくりサーカスですが、この正二とルシール、そしてフランシーヌ人形の退場のさせ方は特に素晴らしいですよね…