Quantcast
Channel: きよの漫画考察日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1715

きよの漫画考察日記1242 からくりサーカス第28巻

$
0
0

{CC517C8B-A654-4038-B1D3-E8E80B135B87:01}  
28巻、ついにあの人物が舞台から退場します…

お月様

さてしろがね-Oから逃げる勝、守ってくれるのは衝月さん。
しろがね-O「ムダなコトよ、てめえはもうすぐ死ぬ…そしたらそんなガキなんざ5秒で捕まえてやらァ!」
衝月「それはどうかな。」
しろがね-O「なんだとォ!」
{6F22B998-D327-41C9-9D2E-1F60E84BB4E5:01}  
子供は泣くのが仕事ですけどね、やはり男の子が泣いていいのは6歳くらいまでなんでしょーか。女の子なら28歳くらいまでなら許しますが(笑)

つーわけで逃げる勝、守ってくれるのはしろがねだけですが…もうしろがねを戦いに巻き込みたくない勝。
{2A8A1EC1-56AB-4018-8C2B-E32BAF4A77CB:01}  

{6A839A7A-AD35-4DCC-8395-B28C13B4D549:01}  
男が戦いを決意するきっかけはこれでいいと思いますよ。他に手段が無いから戦うのであって、戦いを回避できる手段があるならそちらを選ぶ、それでこそ正義の味方です。

つーわけで勝はジャコをスタンバイ。
グリポン
「貞義サマ、あんたそれ、フラフラとしか操れなかったじゃないスか!そんなんで勝てるわけないでしょー!トートツになんで戦う気になるかねえ⁉︎」
「とうとつに…か…」
{12F1696D-016C-451C-8A7A-11FD81D68739:01}  
「でもそれから逃げられないってわかったら、その時をいっしょうけんめ、やるしかないんだね。」
{14D3C105-7E01-4148-87A1-1EC97A3C03E5:01}  
世の中には「仕方ない」と思えることは山ほどあります。人間は神にはなれませんからね、全ての事が思い通りにはいかないものです。問題はそこで頑張れるのか否かということですな…

そして勝はしろがね-Oを5人撃破。
しろがね-O「…信じられん、あんなガキが…フェイスレス指令の記憶をある程度転送されてたのは知ってたけど…体は頭の思いどおりには都合よく動かないハズだ…それが…」
フェイスレス「集中してるんだろうさ。」
しろがね-O「集中とは?」
フェイスレス「おそらくあいつは死ぬ程この戦いに集中している。自分の心を刃物の切っ先よりまだ鋭くしてな。人間はそんな時もの凄い力を出したりするものさ。」
しろがね-O「それだけのワケでフツーのガキが…」
フェイスレス「どうやらもう…フツーのガキじゃないらしい。」
{01031089-34B7-4A8F-9A48-F8F494975C0E:01}  
この瞬間からでしょーか、勝は急激に大人になります。元々そーゆーところもありましたが、やはり正二の過去を全て見てきたというのが大きいんでしょうな。それにしても勝にはジャコがよく似合う。


さてフェイスレスは不要になったグリポン君を分解。
グリポン「まいっ…たなァ…貞義…サマ…でも、まァ仕方ないか…」
フェイスレス「勝君、君は僕の転送後の身体になるために…死んだ君の母親ごと僕に金で買いとられたんだよ。」
グリポン「自分は貞義様に造られたんだもん…存在も消滅も…全部造物主サマのお心しだい…さ…」
フェイスレス「いわば君は僕の所有物だ、勝君。君をどうしようと僕の自由なのさ。」
グリポン「どうされても…文句は言えないっスよ…」
{1AA44B44-8BDF-4CB3-8E5E-BA8D5D20585C:01}
「ちがうよ…」
{1FE389E1-ED8B-4614-AD73-EC1CFA3D72DE:01}
「誰の操り人形でもなくて…したいことは全部ちゃんと自分で選べるんだ。ぼくらを造った神さまがいるとしたって…そんなぼくらをもう自分の人形だなんて思わないと思う。自分で考える物は、モノじゃない。」
{590649E9-89E3-4F0D-9CAF-D52AAD4C6892:01}

{5B5D16FD-F72B-4978-92EE-C36F355CCB43:01}
からくりサーカスのメインテーマここにありってな感じでしょーか。

つーわけで勝からフェイスレスへ痛烈な反撃。
「わかったんだ、フェイスレス。200年間、女の人たちが誰もあなたを好きにならなかったわけが。あなたはグリポン君にしたように、要らなくなったものをすぐに捨てる。それが人間であっても…信じる心を踏みにじり、命すらなんとも思わないで。」
{E6CFD18E-815C-4F19-BF80-0AD61A03EBF3:01}
「そんな女の人達があなたのその心を見抜いたんだ。私すらも要らなくなったらすぐ捨ててしまうんだろうって…」
{B588260B-8F49-4312-82C0-ACC4B230DE20:01}

{9F62880E-0AE4-4738-B3EE-4FF2498EC8FC:01}
フェイスレスはね、200年間ずーっとフラれっぱなしなんです。それで性格がひねくれるなという方が無理な話です(笑)

さてそれでも揺らがないフェイスレス、勝に自分を転送すればエレオノールは自分のことを愛すると確信してるんです。
「な、何を…勝手なコトを…そんなに、あなたの思いどおりになんて…なるもんか…」
フェイスレス「いや!うまくいくね。」
「なんでそう言い切れるのさっ⁉︎」
{79CA7D9C-FA3E-4747-9BEB-FD071D1B2593:01}
フェイスレス「自分を信じて夢を追い続けていれば…」
{486A729E-C8AB-4E3B-BA38-FA0831685A3B:01}
フェイスレスの強さの一端がここにありますな。彼には一切の迷いが無く、ゆえに罪悪感も無いんです。だから躊躇することも一切無い、それこそがフェイスレスの強さでしょうかね…
つーわけで勝vsフェイスレス。フェイスレスの油断に乗じて勝はフェイスレスの右腕を斬り落とします。
フェイスレス「ちいい~油断したわ!」
「同じ記憶があっても、圧倒的に弱いぼくには…」
{85849CF4-DDF9-48AD-A22D-FA66997A19D8:01}
ちょっと勝強すぎないか?とも思ってしまいますが、勝にはフェイスレスと正二2人分の記憶があるわけですからね、その辺りの小学生よりかはよっぽど強いはずです。

つーわけでフェイスレスは勝に「2年間エレオノールを守れるかどうか」というゲームを提案、人質を取られた勝は仕方なくこれを承諾。
{8050F8E0-73F6-49CC-AC59-836B34F9D5C6:01}
フェイスレスにとって自分以外の全ての人間は操り人形です。フランシーヌとアンジェリーナだけですね、フェイスレスの思い通りにならなかった人間は…


さて石化する正二、最後に勝に託した願いは2つ。1つはエレオノールを護る事、そしてもう1つは自分の事を一切エレオノールに伝えないこと。
「そんなのひどいよ!それじゃおじいちゃんがいなくなってもしろがねはおじいちゃんを思い出せないじゃないか!本当のお父さんなのに!おじいちゃんがかわいそうだよ!おじいちゃんの人生はなんのためにあったの?」
正二「人生か…」
{3513D136-9C32-4778-B682-D99AC7766DE8:01}  
誰かのために生きる、別に珍しいことではありません。自分のためだけに生きている人も多いでしょうが、大半の人間は誰かのために生きていることでしょう。がしかし、誰かのため「だけ」に生きている人間はまず存在しません。永遠の時を生き続けるしろがねだけが到達できる境地なのかもしれませんな…


つーわけでついに正二がからくりサーカスの舞台から退場します。
正二「…勝…男がな…全部ハラにしまって…たった一人で歩かなきゃならん時はな…」
{8369E45B-A484-4A14-BFE5-DDB656418849:01}  
正二「それがこの世でたったひとつ…」
{B3DC0805-ECAD-45F0-9E8D-44D129172834:01}  
正二「勝…おじいちゃんの人生には本当に嬉しいことが3つ…あったんだ…」
{E796AB66-19EE-4395-93BF-12FA2FFA1175:01}  

{858C5B7A-8732-4FDE-9B0F-ADDEAB26FDDA:01}  

{810368AB-0A7F-4B2C-A58F-A96207D76203:01}  
「おじい…ちゃん…」
正二「長かった私の人生で…こんな…最後になって…4つ目ができたよ…」
{04BC089E-66F6-4DD6-89C6-5AFE03E51F0B:01}  
考えてみると正二ほど数奇な人生を歩んだ人はいません。白銀先生と出会ったのも偶然ならアンジェリーナと出会ったのも全くの偶然ですからね。偶然が続いた正二の人生、これはもはや偶然ではなく運命と呼ぶべきか…


そしてここからが正二の幕引きの真のクライマックス。
正二「あーあ…とんびよう、おまえはよかねえ、空ばそぎゃん気持ち良う飛べて…」
「あら、主さんも。」
{449F7476-07FE-49B0-B784-7603817765CC:01}  
正二「そうか、だが…私はおまえのおる場所へは行けまい。私はおまえのおらん後の世で罪を重ねすぎた…エレオノールを守りたい一心から多くの人達に辛苦を強いてしまったのだ。」
{F392FF42-0D40-44CA-95CB-6BCD1FCC06B4:01}  
正二「特に私が勝に頼んだ身勝手な…」
アンジェリーナ「ですから…」
{AE594144-DD54-47C6-90D2-50C3F03D277E:01}  
正二「ア…アンジェリーナ…」
{4CBA8F15-70EA-416D-9F41-6F971C791E3A:01}  
アンジェリーナ「だから…ね。」
正二「いいや…違うとるぞ…」
アンジェリーナ「え…」
正二「私はな、アンジェリーナ…」
{6862F794-622A-4E4A-AE02-6A4ABBAE97DC:01}  

{D42D27DE-E661-4257-AE52-6B32FF556C49:01}  
藤田和日郎の真骨頂炸裂です。これほど上手く人を死なせる漫画家はホントいません。うしおととらでほぼ完成されていたかと思われていましたが、このからくりサーカスではその一段上をいきます。登場人物の大半が途中で舞台から退場していくからくりサーカスですが、この正二とルシール、そしてフランシーヌ人形の退場のさせ方は特に素晴らしいですよね…


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1715

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>