「ふたりの黒い医者」
ブラックジャックのライバルが登場します。
ドクターキリコ!
ブラックジャックにおいてピノコの次に登場回数の多いキャラクターじゃないでしょーか。川谷拓三レベルの名脇役です。
そんなキリコ、請け負う医療は「安楽死」
当時はまだ安楽死なんていう言葉が世の中に定着してなかったそうです。もちろんその行為自体は医療概念の発生と同時に大昔から存在してたんでしょうけど、医療技術が進んで従来は手の施しようがない患者をむりやり延命させられる世の中になってくるとまた違う意味を帯びてきます。回復の見込みの無い患者の命を奪うこともまた治療行為なのかもしんないよなぁ…
つーわけでキリコは捨て台詞を残して去ります。
たしかに一理ある意見です。医療というものは本質的に自然の摂理に反してるのかもしれません。だけど…人間がコミュニティー単位で生きる生物である以上、そこから医療概念を捨てることはできませんよね…
とゆーわけでここで終わればまぁ良い話なんですが、そこはさすがに漫画の神様手塚治虫です。
ここであの母親を、しかも子供たちまでまとめて殺す手塚治虫、凄い。この展開はちょっと思いつきませんよ…
そしてその事実を聞き高笑いを残して立ち去るキリコ。
「人形と警官」
「座頭医師」
こちらも名脇役が登場。
盲目の鍼灸師ですが腕前は超一流。俺はハリ治療というものを受けたことがないのでその効果については懐疑的ですけどね。世の中の奴が何と言おうが、自分の身体で体験してみないとその効果は分かりませんよ…
「海は恋のかおり」
皮膚の移植を求めてやってきた若者、理由はこれ。
当時はレーザーで消すなんていう技術が無かったでしょうからね、刺青消すのは大変だったでしょう。つーか消すなら最初から入れるな、ただそれだけの事なんですけどね…
そんな若者がもはや手遅れの重傷を負いますが、ブラックジャックはあえて皮膚移植。
意味の無い手術といってしまえばそれまでなんですがね、医療とは延命だけを目的として存在するものではないんだということでしょうかね…
「鬼子母神の息子」
子供を誘拐しその指を送りつけて身代金を奪っていたグループの頭目の女、ブラックジャックは彼女が逮捕される前に顔を全く別人に整形します。
美容整形技術の進歩ってやつは止まりませんね。世の中にいる美人のほとんどが整形に思えてくる世の中って正常なのかなぁ?
ブラックジャックの肉親が登場します。
ブラックジャックが幼い頃に女をつくって家族を捨てたお父さん、なんとなく頭身がおかしい(笑)
そんなお父さんがマカオで見つけた新妻の蓮花、この病気にかかっちゃってました。
ハンセン病、これはらい菌に感染したことが原因となる感染症なんですが、顔がメチャクチャに腫れ上がってしまう病気です。細菌なんて知りもしない時代においてハンセン病患者が差別を受けてきたという歴史、理解できなくもないよなぁ…まぁ日本国内ではほぼ根絶された病気だそーです、よかったよかった。
美人顔というのは何で決まるかというと顔のパーツの配置が黄金比に近いか遠いかということらしいですが、逆に美人すぎると近寄りがたい気もしますけどね…
さてこの顔、実はお父さんに捨てられたお母さんの顔でした。
ブラックジャックも酷い復讐の仕方を選んだもんです。愛する女性の顔が前妻と同じ顔…これはソフトな拷問です。「盗難」
外国に来たブラックジャック、貨幣からどこの国か分かります。
1ポンド=20シリング=240ペンスです。明らかに分かりづらい12進法でのこの単位、1971年にイギリスで廃止されて以降は1ポンド=100ペンスになりました。ブラックジャックが描かれていた時代にはすでにシリングという通過単位は廃止されているはずなんですが、庶民レベルでは普通に使われていたということですかね?
そして交通事故で両腕両足を切断したジェーン、義手義足でのリハビリに挑みます。
今の世の中なら電動車椅子というのもあるんでしょーが、当時はそんな便利なものはありませんからね。現代人の感覚でブラックジャックを読むと多少の違和感はあります。
「お医者さんごっこ」
「鳥たちと野郎ども」
「三者三様」