さて日本1点リードで8回裏、2アウトランナー2塁で打席にはギブソンJr。初球のフォークのすっぽ抜けを痛打されかけた吾郎はストレートでの勝負を希望。
吾郎「結局やつをねじ伏せられるのは、100マイルの剛速球だ!」
寿也「100マイル⁉︎今日はまだ出てないけど…」
つーわけで追い込まれたJr。
つーわけで吾郎の渾身の一球とJrの渾身の一振りが激突。
投手の球速なんてものは様々な要素で簡単に変わっちゃいます。最高球速160km/hの投手が毎日160km/hの球を投げられるわけではありませんから。そこにはやはりメンタル面からの影響も大きいわけですよ…
日本ではバットの素材つったらアオダモですが、アメリカでは主にホワイトアッシュという木材が使われています。ホワイトアッシュの方が硬くて反発力があるんですが、アオダモの方が粘りとしなりに優れていると言われています。ゆえにどちらが折れにくいかというとアオダモなんですが、乾燥しているアメリカの風土にアオダモのバットは合わないようですね…
つーわけで吾郎の渾身の一球とJrの渾身の一振りが激突。
つーわけで逆転ホームランを浴びた吾郎に対しスタンドの観客は野次を飛ばしますが…
こーゆー事もなくはないんでね、俺は野球観戦中に選手を野次ることは絶対にしません。敵チームの選手を野次ることを生きがいにしてるような観客もいるんですけどね、あれじゃ人間としての程度の低さをアピってるようなもんですけどね…
つーわけで逆に追い詰められた日本、最終回2アウトから松尾と三田村が出塁して抜群の場面でバッターは当然寿也。
寿也「まだだ…!まだ終われない…!僕が野球に出会ったあの日から…僕の人生の幾多の勝負や試練の傍らに…いつも吾郎君がいた…!時にはその才能に嫉妬したり、時にはその自由奔放な生き様を誤解したこともあったけど…」
寿也「その彼とたどり着いたこの最高の舞台の最後の試合で…」
寿也はその立ち位置が美味しいわな。野球において投手というのは「守り」のポジションですからね。サッカーでいうならゴールキーパー、バレーでいうならリベロみたいなもんです。つまり投手の力だけでは絶対に試合に勝つことはできません。結局美味しいところを持っていくのは打者なんですよね…
つーわけで延長に突入した決勝戦、もう投手のいないアメリカはドクターストップがかかっているギブソンがマウンドへ上がります。
Jr「ハハ…おかしいぜあんた…確かにピッチャーが底をついてうちはピンチだ…だがいくら世界一決定戦だからってそこまですることか⁉︎」
野球の硬球が160km/hで飛んでくればもちろん人を殺す威力はありますが、死亡する確率だけでみればジョギングの方がよっぽど死亡事故の多いスポーツです。外傷で死に至るスポーツが危険だといわれがちだけれども、実際には心臓に負担をかけるスポーツの方が危険なんですよね…つーわけでマウンドに立ったギブソン、全盛期の球速はもはやありませんが…
つーわけで吾郎は7連続奪三振、さらにJrからも三振を奪います。
どんなに球が速くてどんなキレのいい変化球を持ってる投手がいたとしても「こりゃ打てねえ」と思って打席に入ったことはありませんね。俺はポジティブですからね、それでもなんとかなる、なんとかしてみせるという気持ちで打席に入りますが…そんな気持ちすらも失わせるような圧倒的投球ができる投手ってのがプロに行くんでしょうね…