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改訂版きよの漫画考察日記75 うしおととら第18巻 後編

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最終章「うしおととら」
さぁついに最終章です。最終章の題名は「うしおととら」これ以外にありません。だってこの最終章にうしおととらの全てが凝縮されてるんですから。

さてまず舞台は東京。なぜか黒炎に襲われる中村一家。
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よーく見ると母親は黒炎に熱湯で立ち向かってます。中華鍋の麻子よりもこちらの方が効くでしょうな(笑)

しかしさすがに中華鍋では撃退できない黒炎、ここで援軍到着。
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設楽はさっきまで四国にいたような感じだったんですけど…どーやって東京まで来れたのかは分かりません。

さらに海外からも援軍が。
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バルトアンデルスはドイツからの参戦。それにしてもこいつがこんなに強かったとは意外。

さらに遠野の小夜さんの所にはこの2人が到着。
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勇ちゃんはともかく礼子さんは確実に東京にいたんですけど。大都市が白面に焼き尽くされて大パニックのはずの日本列島、彼女たちの移動手段が気にはなってしまいます。

そんな彼女たちを無慈悲に襲う黒炎、彼女たちを救ったのは…
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たまらんね。肉体がなくなろうが、違う世界に旅立とうが、娘を守るためなら父親ってのは必ず駆けつけるもんなんですよ!


さて沖縄では白面が痛いところを突かれちゃいます。
とら「うしお、こいつの目はな、嫉妬の目だ!獣の槍が怖えんだ…くっくっくっ。いや…獣の槍を使う蒼月潮が連れてくる…」
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白面の者は陰の存在です。そして白面の者にとっては全ての人間は陽の存在だといってよい。そりゃ羨ましくもなるし、滅ぼしたくもなるし、怖れもするわなぁ…

さらにとらの口撃、ここは白面との最終決戦における見せ場です!
とら「ナガレというヤツがいたよ…そいつはうしおってえ人間がとてもまぶしかった…まぶしくてあこがれた…あんなのになりてえってな…だけど…ナガレはうしおにゃなれねえ事を知っていた…だから敵にまわった…そうしねえと自分が自分じゃなくなるからよ…」
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とら「ほーら、おめえの怖えのが来たぜえ!」
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とら「憧れてそして憎み…しかも怖え…大変だなァ白面、おめえにとってのその…」
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くあぁぁぁ~ここでこの4人が来るのかぁ!
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鏢さんは死んだ直後の登場ですからね、忙しいことです(笑)それにしてもこのメンツにさとりが入ってるというのが意味深い。白面が怖れているのは人間の陽の力ですが、これはあの世から蘇ってこれる力という意味ではない。それなら陰の存在であるさとりはここにいないはず。白面が怖れている人間の陽の力とは、陰の存在であるさとりすらも引き寄せてしまうその分け隔てなさかもしれませんね…

つーわけで最後の激突!
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うしおととらは全33巻、最終巻まで読んできて改めて思うことは蒼月潮ととらという2人のネーミングの良さですね。もしこの物語の主人公の名前が潮じゃなかったら俺はこの漫画をこんなに愛しただろうか。もしこの妖の名前がとらじゃなかったらこの漫画が俺の記憶にここまで残っただろうか。この2人が潮ととらだからこそ、このうしおととらという作品は成立してるんですよ…



つーわけでいよいよ決着。かと読者に思わせておきながらさらに脇役たちが盛り上げます。まずは…
キリオ「ごめん九印!ごめん…ぼくはお姉ちゃんお姉ちゃんって…!いつも戦ってくれるおまえのことなんか忘れて…ごめんよう。」
九印「あやまる…必要は…ない…」
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人工的に造られた生命体が美しさに欠ける理由、それは己の存在意義というものを他人に委ねているからですよ。己の存在意義を探すことなく、疑うこともなくただ命令に従うその姿が美しくないんです。九印はキリオを守るために造られた生命体です、キリオを守るというその存在意義は他人から与えられたものです、それなのに九印の死に様が美しいのは自己の存在意義を九印自身が見出したからに違いない。最初はキリオを守るために創られた九印だけれども、最後まで九印がキリオを守り続けたのは九印自身の意思だったに違いないと思わせるに十分な死にっぷりです。

さて九印が死んで破られた防衛線、ついに須磨子が黒炎に襲われますが………!

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キタキタキタぁ、紫暮が来たぁ!
十数年振りに会うことができた妻を護るために振るう錫杖のなんとかっちょええことか!


さらに雷信、かがりもピンチに陥ります。来るかな…来るだろ…そりゃ来るでしょ…来ねえわきゃねえよな!

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やっぱ来たぁ十郎!
…アカンわ、涙出てきたしょぼんしょぼん


そんなわけで皆が何かを守るために闘う中、そうじやない男もいます。
「まったくあの無能坊主どもが…結界壁を作っても、一番弱そうな所が黒炎に狙われることに気づきもしねえ…」
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ごめん凶羅、カンペキに忘れてたわ(笑)だってくらぎ戦以降出てこないんだもん…

そんな忘れられていた凶羅、最後に思い出すのは力の正しい使い方をいつも説いていたお役目様の姿。
凶羅「…ババアのいう力の使い方はしまいまで…できなかったけど…よ。ま…オレの性分ってヤツだ…でもな…けっこう面白ェケンカもあったんだぜ…なァ…」
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誰を護るというわけでもなく人しれず1人で闘い、そして人しれず1人で散っていった凶羅…それでも凶羅は満足してこの世を去ったんです。男が闘う理由、それは一様に定められているものではなく、それぞれの心の数だけ存在するのかもねぇ…


そんなわけで潮&とらvs白面の最後の激突。自らの目を潰し獣の槍の気配のみを感じて攻撃してくる白面に対し、とらはこうやって獣の槍の気配を消します!

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獣の槍と同じ匂いを持つとらの身体に隠すというのは良い案ですが、獣の槍はあらゆる妖を一瞬で消滅させてしまう最強の槍ですからね、これはそーとー痛いですよ…
さてもちろん槍を抜こうとする潮でしたが…
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とら「わしはほかのヤツらなんてどーでもいいと思ってた!妖どもは敵、人間どもは食いモンだったよ!だけど、おめーとつるんでるうちに何となくよ!白面なんぞに殺させるのが…悔しくなっちまった。」
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結局のところ男の涙腺というものはこーゆー自己犠牲には弱いですよね。しかもそれを自己犠牲の精神からは程遠いとらがやるというところが胸に刺さるんですよ…

そしてここで白面が吐いた火炎から身を呈してとらを守る潮。
とら「バカが、今さらおめえ、わしの盾ンなって!」
「オレだって…おまえになるんだ…こんなの何でもねえ…」
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たまりません。何がたまらんってこの最後の一撃の画力の高さがたまりません。ドラゴンボールやワンピースみたいに分かりやすい線では描かれてませんよ、だけどこの一撃に全てが詰まってるんだという重厚感をこれ以上無い程に感じてしまいますよ…

つーわけでついに最強の妖、白面の者を倒します。
白面「ギエエエ~ばかな…我は不死のはず、我は無敵のはず。我を憎むおまえの在る限り…シャガクシャアアア!」
とら「あいにくだったなァ…どういうワケだかわしはもうおまえを憎んでねえんだよ。」
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シャガクシャと白面、3000年以上もの両者の確執を断ち切ったのはやはりラーマの姉のあの一言でした。むしろこの言葉の意味をとらが知るのに3000年以上かかったというべきでしょうかね…

そしてクライマックス、潮ととらにも別れの時が。
とら「どうやら…わしも…そろそろらしいや…」
「…!」
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ダメ、涙で前が見えませんしょぼんしょぼんしょぼん
ここで長々と別れのシーンを描いてちゃ蛇足ですわな。潮ととらが最後にかわした言葉は簡潔でありながら、それでいて読者の心を間違いなく震わせます。つーかこれで何も感じないのならそいつは不感症です、医者に行った方がよい。


さてさて残る問題は沈みゆく日本をどーするか。これは妖たちが石と化して支えてくれることになりました。
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いい仕事しますよ、妖も。まぁ一鬼がどーなったのかが描かれていないのが残念ですけどね。もしかしたら戦死したのかも(笑)


そんなこんなで1年後、未だにハンバーガーという単語を聞くと泣いてしまう真由子でしたが…
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最後の「ずうーっと、食べてね。」が深いですな。とらと真由子の約束、私を食べてねという約束は果たされることはありませんでしたが、キリオはきっと真由子を一生守り続けますよ…

そんなわけで卒業式へと向かう潮。もちろんその隣にとらはいません…
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雲外鏡のおんじ、生きてたのか(笑)

さぁいよいよラストカット。
雲外鏡「何?寂しいって⁉︎この国から妖怪達がいなくなって寂しいと…あんたらはいうのかい…ふっふっふっ。いいかね、よォくお聞き。人間は土に生まれて土に死ぬ…土に死ねばこの世に再びかえってはこない…にもかかわらず…その土からさえこの世に立ちかえってくるもの。」
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日本漫画史上、最高の漫画はうしとらに決定!
総理大臣が出てこよーがアメリカ大統領が出てこよーが、俺のこの結論は変えさせませんよ。もちろん個人的な趣味嗜好があることは否定しません。だけど俺もこんなブログを書いてるだけのことはあって相当な数の漫画を今まで読んできました、普通の人より遥かに多い量の漫画を読んできたと自負しています。そんな俺が歴代No.1漫画だと断言するんだからそれなりの説得力はあるはず。つーかうしおととらを読んだことのない人は人生を損してますよ…



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