黒博物館スプリンガルド!
黒博物館スプリンガルドは6話完結の物語なんでね、決戦まであまり時間をかけてはいられません。
つーわけで戦いはウォルターの勝利で終わりました。
う〜ん、さすがにこのシーンは藤田和日郎作品の読者であれば間違いなくアルレッキーノを思い浮かべることでしょう。アレはいいシーンだったからなぁ、取り敢えず貼っておきましょう。
またからくりサーカスを読み直したくなっちゃうな…
少年サンデーで「うしおととら」「からくりサーカス」の連載を終えた藤田和日郎はスピリッツで「邪眼は月輪に飛ぶ」を連載するんですが、その後今度はモーニングでこの「黒博物館スプリンガルド」の連載を始めるんです。サンデーとスピリッツはどちらも小学館ですから分かるんですが、モーニングは講談社ですからね、ここに至るまでには読者には分からない色んなことがあったんだろうなぁ…
この学芸員が聞き手という立場でこの黒博物館スプリンガルドの物語は進んでいきます。いきなり昔話から入るよりも読者がとっつきやすいですかね。
そんなマーガレット、3年前にウォルター扮するバネ足ジャックに襲われたんですが…
女の子のビンタは響きますからね。だからといって女の子からのビンタを避けたりするような男はダメだと思います。自分に非がなくとも受け止めなきゃいけません、それはまるでプロレスラーのように(笑)
さてお話は1841年のロンドン。
さてまずはロンドン警視庁警部が登場。
ジェイムズ・ロッケンフィールド!
ところでイギリスという国ではユーロは使えません。EU加盟後もイギリスは通貨統合を拒んだがゆえに使用されている通貨はポンドのままなんです。この辺りは大英帝国のプライドが出たのかな…
ジェイムズ・ロッケンフィールド!
イギリスでロッケンフィールド…そりゃもちろんからくりサーカスの登場人物スティーブ・ロッケンフィールドさんとの関係性を考えてしまいます。しろがねの方のロッケンフィールドさんは長命ですからね、もしかするとこの時代のどこかに生きているのかもなぁ…
こういう立ち去り方は男の美学ですわな。名も名乗らずに去るというのがやはり男の理想像です。
さて3年前にロンドンを騒がせたバネ足ジャックが再びロンドンに現れ、今回は殺人を犯します。
そして3年前のバネ足ジャックの正体がこの人。
この黒博物館スプリンガルドの主人公です。これまでの藤田作品にはいなかったタイプの主人公ですね、むしろこのウォルターを描いたことによって岩崎月光が生まれたのかもな…
そんなウォルターの館で働くメイドさん。
藤田漫画の歴代女性キャラの中で近いのは誰でしょうかね、服装だけならルシール婆ちゃんなんだけどな…
女の子のビンタは響きますからね。だからといって女の子からのビンタを避けたりするような男はダメだと思います。自分に非がなくとも受け止めなきゃいけません、それはまるでプロレスラーのように(笑)
さてバネ足ジャック退治のためロンドンにこの人が到着。
その本名はアーサー・ウェルズリー、この人は実在の人物です。ナポレオン戦争において最後の戦いとなったワーテルローの戦いでフランス軍を打ち破った将軍です。やはり昔話を描くときにはフィクションとノンフィクションを上手く絡める方が時代描写に説得力がでますよね、歴史上の人物を描いたところで子孫から怒られるわけでもないだろうし。
髪型が綺麗な外巻きですな。ところで昔の音楽家、特にモーツァルトとかの肖像画は綺麗な外巻きカールがかかっていますが、アレってどうやって作ってるのかね?パーマなんて技術はもちろんドライヤーすら無かっただろうに…
そして3年越しにバネ足ジャックに襲われるマーガレット
各話ごとにまずこの学芸員さんが出てくるのがこの黒博物館のお約束です。さてバネ足ジャックvsウェリントン卿。
マスケット銃というのは火薬を銃身の先から詰めるタイプの銃のことです。もちろん昔の銃というものは全てマスケット銃だったんですが、致命的な弱点が2つありました。それは不発だった場合銃を一度分解しないといけなかった点、そして火薬を装填していることに気付かず再度火薬を装填してしまい暴発してしまうという点です。昔の人は何をするにしても大変だったんですね…
マスケット銃というのは火薬を銃身の先から詰めるタイプの銃のことです。もちろん昔の銃というものは全てマスケット銃だったんですが、致命的な弱点が2つありました。それは不発だった場合銃を一度分解しないといけなかった点、そして火薬を装填していることに気付かず再度火薬を装填してしまい暴発してしまうという点です。昔の人は何をするにしても大変だったんですね…
黒博物館スプリンガルドは6話完結の物語なんでね、決戦まであまり時間をかけてはいられません。
さて母親を早くに亡くし両親からの愛情を受けることなく育ってきたウォルター。
つーわけで新旧バネ足ジャックが対峙、ボーモンの目的はウォルターを昔のウォルターに戻すことでした。
そしていよいよ対決。
つーわけで教会の外で繰り広げられる両者の戦い。
結婚式という世界で最も厳かな舞台を背景に血みどろの戦いを繰り広げるというこの対比が良いんですよね…
人という生き物は大勢集まっていれば心強いし気も大きくなるもんです。しかし孤独の中でしか掴めない本当の強さというものもあるんです。
やっぱね、子供はビンタしなきゃまっとうに育ちませんって。こういう事を大っぴらにメディア上で言うとこっぴどく叩かれる世の中だから誰も言わないけれども、俺は負けずに言い続けます。もちろん体罰無しで済むのならそれが一番良いんだけれども、愛情の有る無しを無視して体罰は全て悪だなんて言う輩の意見を俺は信じない。
俺、人生で一度も教会って入ったことありません。結婚式場やホテルにくっついてる教会ならもちろんありますけども、あんな商業目的で作られた施設を教会だとは呼ばんでしょ…
この辺りからですかね、この話し手がなんとなくロッケンフィールドっぽくはないという感じがしてくるのは…
結婚式という世界で最も厳かな舞台を背景に血みどろの戦いを繰り広げるというこの対比が良いんですよね…
「きれいな花を咲かせる人は孤独な時を耐えなければいけない」これはキン肉マンの最終話を飾った言葉「友情とは成長の遅い植物である。それが友情という名の花を咲かすまでは、幾度かの試練・困難の打撃を受けて堪えねばならぬ」に似た言葉ですな。たぶんマーガレットの母親はキン肉マンの読者だったんですよ(笑)
男の強がりもこういう時には許されていいもんでしょ…
人という生き物は大勢集まっていれば心強いし気も大きくなるもんです。しかし孤独の中でしか掴めない本当の強さというものもあるんです。
…ところで初登場時は綺麗な外巻きカールだったボーモンがいつのまにか内巻きカールにイメチェンしてますね。いや、こんなところに気付いても俺に何のメリットも無いんですけど(笑)
ね、いいでしょ、この学芸員さん。藤田和日郎マニアの中では非常に人気の高い女性キャラなんですよ、俺の勝手な思い込みですけど。
う〜ん、さすがにこのシーンは藤田和日郎作品の読者であれば間違いなくアルレッキーノを思い浮かべることでしょう。アレはいいシーンだったからなぁ、取り敢えず貼っておきましょう。
またからくりサーカスを読み直したくなっちゃうな…
そしてマーガレットの幸せを見守ったウォルター。
藤田和日郎漫画は絵柄が受け付けないなんて言う話も聞きます。たしかに初期のうしおととらとかから読み始めるとそう感じるかもしれませんね。逆にこの辺りの作品から入門してうしとらやからくりサーカスに戻るというのもアリなのかもしれません。我々のような古くからの藤田和日郎ファンからすれば邪道に感じるかもしれませんが、若い子が藤田ワールドに引き込まれていくことは喜ばしいことだからなぁ…
花の名前をそのまま名前に使ってる女の子は可愛いというのが定説です。さくら、すみれ、かえで、ゆり、もも、あんず、かりん、あやめ、あずさ、あおい…でもイチゴやヒマワリまでいっちゃうとやり過ぎかな…
藤田和日郎漫画は絵柄が受け付けないなんて言う話も聞きます。たしかに初期のうしおととらとかから読み始めるとそう感じるかもしれませんね。逆にこの辺りの作品から入門してうしとらやからくりサーカスに戻るというのもアリなのかもしれません。我々のような古くからの藤田和日郎ファンからすれば邪道に感じるかもしれませんが、若い子が藤田ワールドに引き込まれていくことは喜ばしいことだからなぁ…
そしてラストカットへ。
いい話だったでしょ。邪眼は月輪に飛ぶもそーだったんですが、デキる漫画家というのは短編を書かせようが長編を書かせようが上手いんですよ。ネット上では月光条例や双亡亭壊すべしが面白くないと言ってる輩も多いですが、お前ら「連絡船奇譚」や「アキちゃんと森で」といった藤田和日郎の短編作品もちゃんと読んだ上で批判してんのかと言いたい。
後編へ続く…
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