カレクックの何が怒りと悲しみのみに囚われ生きてるのかというのは、こっちを読んでない人にはちんぷんかんぷんでしょうな。
カレクックの本名がシンであり、頭戴格闘術(マーラレスリング)免許皆伝まで残り1日まで迫るものの、恋に落ち、ついには禁断のカレーを頭に載せてしまうというこの奇天烈な展開は、キン肉マンには珍しく哀しいバッドエンドで終わりというストーリー。これを読むと残虐超人の悲哀が痛いほど伝わる名作です。これを読むと読まないとではカレクックに対する印象が全く変わってしまいますからね…
そして懐かしい三大残虐超人の設定へ。
ガンジスブリーカー!
おぉ…これは良技かも。腕よりも脚の方が筋力があるのは言うまでもないことですからね、これはタワーブリッジより効くかもしれませんよ。
がついに引き出しを出し尽くしたカレクックに対し、マリキータマンはこの技から反撃。
コキネリツイスター!
てんとう虫の学名がCoccinellaなんだそーです。学名ってのは結構面白いんですよね、犬の学名は「カニス・ルプス・ファミリアリス」ですしゴリラは「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」ですしね。ちなみにヨツコブツノゼミという昆虫の学名は「ボッキディウム・チンチンナブリフェルム」です(笑)
ミミックニードル!
おぉ…ここまでカッコよく描かれる超人がこれまでいたでしょうか。黒い稲妻みたいなのも出てますし、作者のカレクック愛が伝わってきます。これはカレクック殊勲の大金星あるかも!
天道 羽根抜刀!
急に和風なネーミングの技をぶち込んできましたね。キン肉マンはプロレス漫画だけあって、漢字のみで表記される技は少ないんですけどね。思いつくところでは…宇宙旅行、風林火山、阿修羅魚雷、超人絞殺刑、超人圧搾機、九龍城落地、不死鳥乱心波とかでしょうか。技名は漢字で読みはカタカナという今流行りのスタイルをキン肉マンは取り入れてはこなかったということですな。
つーわけで敗れたカレクック。
平凡なインド超人というのがちょっと笑えますねwインド超人というその時点でもう平凡でもなんでもないんだもんなぁ…
そんなこんなである意味予定調和の四連敗を喫した正義超人軍。そして最後に登場する六鎗客はこの超人。
ルナイト!
いそうでいなかった狼タイプの正統派系動物型超人ですね。動物型超人というのはなかなか活躍が難しいところもあるんですよね、バッファローマンとマンモスマンは別格級に活躍はしてるんですが、それ以外で活躍している哺乳類モチーフの超人はポーラマンやセイウチン、ガゼルマンにゴリマックスくらいのもんでしょうか。やはり動物系超人は噛みつきや引っ掻きがメイン攻撃になりがちですからね、扱いが難しいよなぁ…
がしかし正義超人軍の五連敗はないでしょうと断言できますね。だって正義超人最後の砦はこの漢ですから!
ウルフマン!
アイドル超人になり損ねただとか言われがちなウルフですが、リアルタイムでキン肉マンを観てた世代からするとウルフは確実にアイドル超人なんですよね。これはやっぱ劇場版の影響が強いのかもしれませんね…
さてさて。ウルフマンといえばやはり相撲技ですね。
居反り投げ!
相撲の決まり手は現在82手ありますが、その中に「反り手」という技が6手あります。自分の身体をそらせながら投げるというのは当然相撲では難しくて滅多に出ることはありませんが、ウルフマンからすればこれほどプロレスっぽく見栄えがする技は反り手しかありません。普通に寄り切りとか押し出しとかできるわけがないので、ウルフマンの課題点は「いかに相撲技で迫力を出すか」という点に尽きるのだろうとは思いますね。
そんなウルフからキン肉マンへ苦情が。
それはお前がハワイでメイキャップレスラーなんてやってたからじゃないのw
がしかし実はウルフマンを誘いに行っていたキン肉マン。
コヨーテマン親方が読み切りから本編に逆輸入されて初登場してますね。それにしてもこの時ウルフが王位争奪戦に参加していたらどーなっていたんだろうと想像してしまいますね。飛翔チーム戦でウルフが参加していたら…やっぱり先鋒として登場してホークマンと対戦していたのでしょうか。うーん、さほど結果は変わらなかったような気もしてしまいますねw
撞木反り!
1960年に大相撲の決まり手というものが制定されて以来、一度も出たことのない幻の決まり手です。それどころか大相撲の歴史上でも1929年にたった一回だけの記録が残るまさに幻中の幻の決まり手です。そりゃそうでしょうね、相手の懐に入り込んでそこから肩に担ぐなんてとても相撲の技とは思えません。これ、未来永劫記録されない技かもしれませんよ…
しかしここでルナイトの反撃。
巨大化!
あまりありませんでしたね、こういうのも。もちろん初期にカナディアンマンが巨大化してた時代もありましたが、ここまで体格差のある対戦というのは…テリーマンvs魔雲天、ジェロニモvsサンシャインくらいのもんでしょうか。まぁキン肉マン史上最も体格差のあった対戦はミキサー大帝vsミートくんなんですけどね…
つーわけで巨大化したのはルナイトの性質によるものでした。
体が大きくなればなるほど体重に対しての体表面の割合が小さくなるので熱の放出を抑えられる、故に寒冷地へ行けば行くほど恒温動物は巨大化する、これがベルクマンの法則ですね。これはやはりその通りで、ロシアやアラスカにいるホッキョクグマとかヘラジカのサイズ見ると腰抜かしちゃいますもんね。つまりゾウやサイがもし寒冷地に適応していたら、それはもうとんでもないサイズになっていたでしょうね…
さてそれでも相撲で挑むウルフマン。
掬い投げ!
これはもう基本ですね。まわしを取らずに打つ投げ、これが掬い投げです。
さらにこの投げ。
下手投げ!
基本的に上手投げと下手投げの打ち合いでは上手投げが有利になることが多く、また下手投げは引きながら投げることから、偉大な横綱の得意技は大体上手投げです。朝青龍や日馬富士といったどちらかというと小兵力士の技なんですよね、下手投げってのは…
しかしここでルナイトも投げで反撃。
ルナイトボム!
これだとウルフマンの後頭部がリングに激突しないんじゃないか?という微妙な技です。むしろルナイトが両膝痛めてしまわないのかと心配になりますね…
そんなわけでウルフマンを相撲ですら圧倒するルナイト。
まぁ確かにウルフマンを投げたのなんてキン肉マンくらいしかいませんからね。超人レスリングならともかく、相撲という競技でならウルフマンを投げ飛ばせる超人なんてそういないでしょう。悪魔将軍を相手にしたって相撲ルールなら負けはしない、そんな期待値がウルフにはあるんですよね…
そんなウルフに対してルナイトはこの技。
ウォルフガングスパイラル!
ウォルフガングとはウルフギャング、狼のような戦士という意味であり、そこからドイツの人名としても取り入れられているそうです。あのモーツァルトの名前はウォルフガング・アマデウス・モーツァルトですから。それにしてもウォルフガングなんて名前カッコよすぎますよね、名前負けしちゃいますよ…
さてウルフマンの真髄はその心根にあると評する委員長。
いやいや、もう一つあるでしょ大敗北が。試合開始2秒くらいで失神した試合があるでしょにw
つーわけでトラウマを突き破ったウルフマン。
スプリングマン戦もこんな感じで引きちぎれればカッコよかったんですけどね。まぁ正義超人を単純に「筋力」という面で見るとウルフは相当上位に来そうなもんなんですけどね。バッファローマン→キン肉マン→ウルフマン的な感じでトップ3にランクインされそうな気配はします。
そしてウルフマンはこの技で反撃。
ルービックキューブ張り手!
この技ってルービックキューブマン以外にも使えたんですね。エドモンド本田の百烈張り手とどちらが強いか気になるところですがエドモンド本田は大関ですからね、やはり横綱の張り手の方が上手と見るべきでしょうか。