さてさて。日本人なら誰でも老若男女誰でも知っている有名作品やってみましょうか。
ゲゲゲの鬼太郎!
これは難しいところでね、ゲゲゲの鬼太郎という漫画作品はさまざまな出版社から無数に発表されているんです。ゲゲゲの鬼太郎の全エピソードを時系列順に読もうと思ったら水木しげる漫画大全集を読むしかないんですが…まぁ一番有名な少年マガジンの鬼太郎からやっちゃおうかなと。つーかこの時代の漫画はブラックジャックも同様なんだけど、掲載順番がバラバラなんですよ。今の漫画では考えられないけどね。
さてカバー折り返し。
水木しげる大先生ですな。写真では分かりづらいですが、水木先生は太平洋戦争に従軍した際に左腕を失っております。それでも終戦後漫画家を目指したってのは、魂のレベルが違いますよね…
さてこのゲゲゲの鬼太郎第1巻の最初のエピソードは「大海獣」主役は鬼太郎よりもむしろこっちの人間です。
少年天才科学者、なんか昔の漫画では確かによく見た設定です。実際には絶対にいない職業ですけどね…
そしてなんの説明もなく、お約束のメンバーが登場。
こんなスタートになっているのは、ゲゲゲの鬼太郎という作品が多くの雑誌で掲載されていたからに他なりません。さらに鬼太郎は同じエピソードが別雑誌に掲載されてたりもするので、これだという順序がないんですよね…
そして登場する大海獣。
今のゲゲゲの鬼太郎は「悪い妖怪を倒すヒーロー物語」ですけども、初期は「単なる怪奇物語」です。まぁまだ「妖怪」という言葉すら世間に浸透していなかったようですからねぇ…
さてそんな大海獣の血をニューギニアの山奥で採取した山田少年。
これは現代社会ではアウトの表現ですわな。ニューギニアに対する差別と偏見を生むってのが原因ですが…実際にこういう部族も存在したわけでしょ?それならこういった表現をことさらに規制するのは逆に事実の歪曲のようにも思えますけどね…
さて鬼太郎が大海獣に変化してしまい、日本は上陸。
まぁこの辺りも当時の日本人の考え方が見えてきますよね。人を害するものは悪なんだから、熊や狼を徹底的に駆除していても誰も何も思わなかった…あんがい昭和の思考なんてものは江戸時代と大した違いはないのかも。
さて鬼太郎が上陸したのはここ。
こりゃ赤坂のニューオオタニですね。1964年からあるもはや歴史的建築ですが、俺も中に入ったの1回しかありませんね。特に行く用事が無いんだよなぁ…
さてそんな大海獣の特殊能力がこちら。
育毛光線とでも呼べばいいのでしょうか(笑)まぁ死傷効果はありませんが、大海獣は身体が大きすぎるのでそれだけで危険ではありますな。
そんな鬼太郎に対抗するため、山田少年はこんなのを作ります。
何が凄いかというと、山田少年はこのロボットを2日間で完成させた点です(笑)
そんなこんなで戦いを通じ、改心する山田少年。
この辺りは社会風刺も入れているのかもね?
さてそんな鬼太郎を倒すため、日本政府が取った政策が衝撃です。
まさかの原爆使用(笑)この表現は大丈夫なのか、時代的には微妙っぽいけど。
そして元に戻った鬼太郎、山田少年はねずみ男からお仕置き。
ねずみ男の通称は「ビビビのねずみ男」なんですが、その名前の由来がここにありました。
さて第2話はこの妖怪。
ザ・昭和の風景ですな。当時は豆腐に防腐剤なんてものは入ってなかったので、豆腐屋さんは作った豆腐をすぐに売らないといけなかったんですよね。俺の爺さんも香川で豆腐屋をやってたんですが、こういう風に売ってたんだろうなぁ…
さて夜叉に魂を抜かれた子供の家に鬼太郎登場。
深夜3時に現れたカラスを頭に乗せた片目の少年。どう見たってあやしいでしょうに(笑)
さて魂を抜かれた鬼太郎を助けてくれるのは…
初期の鬼太郎の仲間は、妖怪ではなくむしろ昆虫です。鬼太郎ファミリーと呼ばれる妖怪が登場してくるのはまだ先の話ですね…
そしてここで目玉のおやじ登場。
まぁこの辺りの設定も徐々にといったところでしょうか。
さてさて。夜叉の正体は髪の毛の妖怪でした。
火をつけられて一瞬でやられた夜叉でしたが…髪の毛ってさ、不思議じゃないですか?人体なのによく燃えるんですよ?そんな体のパーツ他に無いですもんね。
次の話は「おばけナイター」
鬼太郎率いる妖怪チームと人間チームが野球で対決するというこのストーリー、何が凄いかというとアニメ版鬼太郎第1期の第1話に抜擢されています。つまり数ある鬼太郎作品の中でも最初に映像化された作品だということです。公式で公開されていましたので観てみたい人はどうぞ。
ちなみにここでの鬼太郎の声はあの野沢雅子さん。鬼太郎の声は1期2期が野沢雅子、3期が戸田恵子、4期が松岡洋子、5期が高山みなみ、6期が沢城みゆき。これがどういうことかというと…田舎っぺ大将・ど根性カエルのひろし・ドロロンえん魔くん・銀河鉄道999の星野鉄郎・怪物くん・釣りキチ三平・まいっちんぐマチコ先生のケン太・プロゴルファー猿・孫悟空・孫悟飯・マチルダさん・アンパンマン・ミスター味っ子・魔女の宅急便のキキ・江戸川コナン・物語シリーズの神原駿河・HUNTER×HUNTERのクラピカ・そして最近の峰不二子に至るまで、全員鬼太郎の声と同じだということです(笑)1960年代・1970年代・1980年代・1990年代・2000年代・2010年代と各時代ごとに計6シリーズが放映されているという他に類を見ないゲゲゲの鬼太郎という作品だけに起こり得る現象ですね、これは…さてこのおばけナイターで名前の判明している妖怪が1体。
マンモス男!
他にも名前っぽいのがある妖怪も登場はしてるんですが…なにせ60年も続いている漫画です、設定の変更は数え切れないほどありますので割愛します。
次の話は「吸血木」まずは鬼太郎に助けを求めに来たお爺さん。
この松代町というのは実際に長野県にあります。松代群発地震というのがありましてね、1965年から1970年まで、なんと5年間も地震が続いたんです。震度1以上の地震が発生した回数なんと62,826回。こんなの頭おかしくなっちゃうよな…
そんなわけで長野へ向かう鬼太郎。
バスで3日は遠すぎるとも思ったけども、考えてみればこの時代まだ新幹線も高速道路もないんですよね。そう考えると、当時の日本ってどうやって移動してたんだろって確かに思ってしまいます。マイカーなんて物もないだろうしなぁ…
さてここで気を失ってしまった目玉のおやじ、病院に運ばれます。
こーゆーところは受け入れてくれるんだ(笑)
そして今回の敵が登場します。
のびあがり!
本来は四国に伝わる妖怪だそーですが、この作品ではあくまでも「独自の進化を遂げた地底生物」とされています。初期はホントに「鬼太郎vs悪の妖怪」という構図が完成されていなかったんですね…
ちなみにのびあがりも夜叉と同じく2期を除く全てのアニメシリーズに登場しています。しかも6期ではなんと第1話のメイン妖怪に抜擢されるという高待遇。まぁ見た目のインパクトは強烈ですからね…
そんなのびあがりとの対戦。
めくら、これも今の世の中じゃNG発言ですな。でもさ、「盲人」という言葉すらももうあんまり使わなくなって「視覚障害者」という言葉をマスコミから押し付けられてるようにも感じますけどね。たしかに差別的意味合いを含んだ言葉を排除しようとする行動は分からなくはないんだけどさ…日本で何千年も使われてきた言葉を悪だと断罪して使うことを一切禁止する風潮はいかがなものかなとも感じるんですよね…
次の話は「猫仙人」猫に支配された村にやって来た鬼太郎。
ねずみ男はまた変なことやってるのかと思いましたが…このお坊さんはねずみ男ではありませんでしたw
さて猫塚を探す鬼太郎、1人では無理なので仲間の力を借ります。
俺は犬も猫も飼っていないので、「のみ」なんてまぁ見かけたことありませんが…まぁ昭和のこの時代は衛生環境が酷いところもあったでしょうからね、人間の身体にのみが付いていてもそれほど不自然なことではなかったんでしょうな…
そして今回の敵役。
猫仙人!
猫が仙人になったのではなく、あくまでも「猫を扱う」仙人です。1200年生きているそうですが…妖怪世界の年齢というものはよく分からん。
そんな猫仙人に対し鬼太郎はこんな攻撃。
定番の髪の毛針ではなく、背中からのトゲ攻撃。漫画版の鬼太郎がここまで披露した攻撃手段は体内電気とこの背中針だけです、リモコンゲタとかはまだまだ先の話なのかもな…
とここまでがゲゲゲの鬼太郎第1巻。なんか読んでるとアレですね、昭和の懐かしさをフルに感じるといいますか。ホントにまだギリギリ妖怪の存在が信じられていた最後の時代を感じるとでもいうんでしょうかね…