まずはねずみ男の日常から。
あんパン1個15円か…まぁ昭和という時代はとにかく物価が上がり続けた時代でもありますからねぇ…
さて貧困に苦しむのはねずみ男だけではありませんでした。
妖怪の世界も世知辛いものです。特に鬼太郎なんて現金収入がないでしょうからね、妖怪が人間社会に溶け込んで生きていくのに資本主義社会は厳しいですよね…
つーわけで憎まれ口の止まらないねずみ男に対し…
脳膜炎、今では髄膜炎と言われることが多いですがね。まぁ後遺症の多い病気ではありますけども、さすがにこの目玉のおやじの発言は現代では許されないこと間違いなしです。でも昭和の時代は普通に使っていた言葉だったって事がここから伝わりますね。それでいいんじゃなかろうか。
そんな鬼太郎、大臣から身辺警護の依頼を受けます。
鬼太郎はまさかの喫煙者でした(笑)まぁ別にいいと思いますよ、鬼太郎がタバコ吸ったって。その方がなんかリアリティあります。人間の法律なんて関係ないんだし。
つーわけで大臣の依頼を受けた鬼太郎。
鬼太郎も性格悪いところありますね。人々のために動くという点では鬼太郎は昔から変わりありませんが、品行方正な正義のヒーローというキャラクター像は後々作られた物なんでしょうな…
つーわけで今回の敵はこちら。
吸血鬼エリート!
ギターの音で催眠をかけるという吸血鬼エリート、1巻に登場した夜叉と全く同じことやってます。こんな序盤で同じようなキャラクターが登場するってのは現代漫画では考えにくいですよなぁ…
そんな吸血鬼エリートの秘書に就任したねずみ男。
当時の大卒初任給が¥24.000の時代だそーです。あんパンといい、純粋に物価が現在の1/10くらいだと考えておけばいいんでしょうね。
そんな吸血鬼エリートに誘き寄せられる鬼太郎。
「みりき」これってさ、魅力のことを言ってるんでしょうね。誤植にしては不自然だなと思い調べたところ、どーも昭和30年代に魅力をみりきと呼ぶのが流行っていたことがあるそうです。まぁ流行語ってのは時代によりけりですから、それをダサいと呼ぶのも間違いなんでしょうけども。
そんなこんなで魂を抜かれた鬼太郎を助けに行くのは目玉のオヤジ。そんな目玉のオヤジを助けてくれるのは砂かけのおばばでも子泣き爺でもなく…意外な人物でした。
誰かと思えばこがね虫(笑)
ホント初期の鬼太郎の仲間というのは昆虫なんですよ。それにしてもこがね虫の描写が緻密過ぎて、水木しげる先生恐るべしと感じますね…
しかしここで問題発生。
今回の敵の吸血鬼エリート、エリートの吸血鬼という意味合いではなく、エリートという名前だった事が判明(笑)
まぁこれは諸説ありまして、アニメ5期では「吸血鬼エリートのジョニー」6期でも「ジョニー」という名前になっております。まぁちょっとエリートという名前は誤解を招いてしまいますからね、仕方のない改変かも。
さて吸血鬼にも関わらず普通に昼起きて夜寝る吸血鬼エリート。
KYUKETUKI布団、これはオシャレですね(笑)
さてここでエリートの館に到着した目玉のおやじ、しかし鬼太郎が溶かされた事を聞いて心臓マヒに。
まぁ言うまでもなく、水洗トイレなんてものはありません。俺の生まれた家も最初は汲み取り式でしたからね…
さーてエリートに溶かされてしまった鬼太郎ですが、頭蓋骨と液体になっても動き回る鬼太郎。
鬼太郎の妖怪としての最大の強み、それはとんでもない生命力です。ドロドロに溶かされようが燃やされようがバラバラにされようが、鬼太郎は何やっても死なないんです。まぁ何やっても死なないってのは鬼太郎の専売特許ではないんですけどね、このゲゲゲの鬼太郎という作品においては。
そんなエリートにこの一撃。
妖怪ですら殺しかねないねずみ男の屁、その威力はバクテリアンの比ではないでしょう。まぁ悪臭を武器に戦う漫画キャラなんてねずみ男かバクテリアンの二択ですからねぇ。
つーわけで鬼太郎も復活。
鬼太郎の良いところは、欲が一切無いところですよね。まさに古き良き時代のヒーロー像です。現代だとそんなキャラクターは逆に不自然ですけどね、欲も含めて人間なんだし。
次の話は「妖怪大戦争」舞台はここです。
これはね、間違えやすいところです。鹿児島県の奄美大島の横に喜界島という島は存在しているんですが…ここでいう鬼界ヶ島というのはまた別の意味合いなんです。まだ平安時代、日本の西端と南端がまだハッキリしていない頃、とりあえず日本の端っこにある島として鬼界ヶ島というのを勝手に創作していたんです。おそらく水木しげる先生は後者の意味合いで使ってるんだと思いますね…
さて西洋妖怪との決戦のため、新聞で妖怪を募集します。
Q太郎がいますね。お化けのQ太郎が初めての世の中に登場したのは1964年、鬼太郎よりもほんのちょっとだけ先輩です。一応ゲゲゲの鬼太郎が1965年、同じ水木しげる作品である悪魔くんが1963年、手塚治虫大先生のどろろが1967年、そして妖怪人間ベムが1968年。世の中は当時怪獣・妖怪ブームだったんですよねぇ…
そして選ばれたのがこの4人。
ついにこの4人が登場しましたね。いわゆる鬼太郎ファミリーとでも呼ぶのでしょうか(猫娘がまだ未登場だけども)。この鬼太郎ファミリーがちゃんと形成されたのはアニメ3期の頃だそーです。3期ではこれに加え沖縄妖怪のシーサーと人間の天童ユメ子が、5期ではかわうそやろくろ首、6期では犬山まなというキャラクターを加えて形成される鬼太郎ファミリーの関係性は抜群ですよね。磯野家、さくら家と並び立つ漫画界における3大ファミリーの一角として認定しましょう(野比家を入れるかどうか非常に悩みますが)。
さてねずみ男を連れて行こうとしない鬼太郎。
ねずみ男というのは謎の多いキャラクターでね、確実なのは人間と妖怪の間に生まれた半妖怪ということくらいです。どういう風に鬼太郎と今の関係性になったのかもよく分かっていません。まぁ深く掘り下げるべきではないのかもしれませんよ、だって妖怪なんだもの。謎があった方が良いではないですか。
それでもついてくるねずみ男。
ねずみ男の年齢は300歳を越えてます。まぁ鬼太郎の年齢も200歳は越えているようですし、妖怪同士では特に年齢の上下というのは関係ないのかもしれませんね…
ちなみにねずみ男の声は初代が大塚周夫さん、美味しんぼの海原雄山と同じ。私が観ていた第3期のねずみ男はタイガーマスク、侍ジャイアンツの番場蛮、宇宙戦艦ヤマトの古代進、ちびまる子ちゃんのさくら友蔵あたりと同じ声です。4期のねずみ男の声はまさかの千葉繁、北斗の拳のナレーションは最高です。5期はコナンの元太くんと同じ、そして6期はまさかの古川登志夫、ガンダムのカイシデンであり、うる星やつらの諸星あたるであり、かぼちゃワインの青葉春助であり、ドラゴンボールのピッコロであり、悪魔くんのメフィスト2世であり、ONE PIECEのエースです。こうして担当声優の面から見てみると、ねずみ男がゲゲゲの鬼太郎という作品においてどれだけ重要な存在かが分かりますよね…
さて鬼界ヶ島に到達した鬼太郎の前に西洋妖怪登場。
ドラキュラがさ、妙に日本のおじさんっぽい見た目で笑っちゃったw
さてここで活躍を見せたのはこの妖怪。
子なきじじい!
徳島県に伝わる妖怪だそうです。老人の姿ながら夜道で赤ん坊のような声で泣き、哀れに思い抱き上げた通行人にしがみつき殺してしまうという妖怪なんですが…そんな老人を抱き上げる人物が存在しますかね?夜道でお爺ちゃんが赤ん坊みたいに泣いているんですよ、普通怖すぎて誰も近づきませんって(笑)
ちなみに子なきじじいの声も…まぁ色々あるんですけどね。私が観ていたゲゲゲの鬼太郎はアニメ第3作、その頃の子なきじじいの声は永井一郎さんです。言うまでもなく磯野波平と同じ声であり、ガンダムのナレーションであり、うる星やつらの錯乱坊であり、ドラゴンボールのカリン様であり、悪魔くんのファウスト博士であり、YAWARAの猪熊滋悟郎であり、らんま1/2の八宝斎であり、風の谷のナウシカのミトです。名優過ぎるよな…
ちなみにアニメ4作での子なきじじいはスラムダンクの高宮、5作目ではドラゴンボールのウーロン、6作目ではZガンダムのパプテマス・シロッコと同じだそーな。まぁこの辺りは世代によりけりですな、日本人なら各世代それぞれの心の中に子なきじじいがいて、それぞれのねずみ男がいるということです。
そして最初の戦闘が終わりましたが…
戦闘描写すらなく死亡したぬりかべ(笑)
なのでぬりかべについてもここで語ってあげましょうか。私はこんにゃく見るといつもぬりかべを思い出してますが、そういう人は私だけではないはず。ちなみにぬりかべの体重はおよそ1t。1tがイメージしにくい人に分かりやすく言うと、サンシャインと同じくらいの体重です(笑)
そんなぬりかべの声ですが、第2期ではまさかのキートン山田。ちびまる子ちゃんのナレーションが有名ですな。3期のぬりかべは射手座のアイオロスと同じ声(笑)4期では一反もめんと同じで5期では子なきじじいと同じ声優ということで省エネされてます。まぁ口数の多い妖怪ではありませんからね…
さてここでちゃんちゃんこを奪われてしまった鬼太郎。
鬼太郎といえば黒と黄色のちゃんちゃんこですわな。ちなみに「ちゃんちゃんこ」と「はんてん」の違いは袖があるかないかです。実家帰るとさ、おかんが着せてくるのはだいたいちゃんちゃんこですよね(笑)
そしてここでボス妖怪登場。
鬼太郎を観て育った日本人からすれば、西洋妖怪のボスといえばバックベアードですよね。西洋人からすれば「何言ってんの?」という感覚なんでしょうけども。
そんなバックベアード、やはりアニメ版でも大活躍。1期から登場しているのは言うに及ばず、3期では劇場版の大ボスを務め、4期では4話も登場、5期6期にもなるともはやジョジョにおけるDIO級のラスボスっぷり。
ぬらりひょんとどっちが上って考えた時に、そりゃバックベアードって答えますよ、どの世代であっても。
髪の毛針!
髪の毛を針にして飛ばす、なんかありそうなんだけど鬼太郎以外誰も使ってなさそうな技ですな。それにしても髪の毛針を使った後はハゲるというのはアニメ世代には衝撃です。後で再生するからいいけども、再生しないんだったら人生の死活問題ですよね(笑)
そしてここで奮い立ったのはまさかのちゃんちゃんこ。
なんとこの一撃でバックベアードはやられてしまいます(笑)まぁ仕方ないところもあるでしょう、だって眼球突かれたら誰だって痛いでしょ、バックベアードだけそうじゃないわけがないもん。これはまぁ仕方がない。
次は「猫娘とねずみ男」。
ねこ娘の住まいは調布です。どうなんでしょうね、私は地方から上京して来た人間なので、昭和50年代の調布と言われてもあまり想像がつきませんね。地方なら想像がつきますよ、大体こんな感じだろうと。でも東京ってのはやっぱり地方とは違いますからねぇ…
そしてこのキャラクターがついに登場。
ねこ娘!
ザ・おかっぱ刈り上げスタイルですね。確かに昭和の頃の女の子は皆こんな髪型でした。古めかしいといえばそうなんだけど、逆に令和の世の中でオシャレ女性が刈り上げにしてるのを見ると、ファッションって何なんだろうと思ってしまいますね…
そんなねこ娘の声は…4期以降は特に知る必要はないです。重要なのはやはり私が観ていた3期でね、悪魔くんの悪魔くん、ハットリくんのシンゾウ、うる星やつらの弁天、めぞん一刻の朱美さん、ドラゴンクエストアベル伝説のデイジィが同じ声です。言われてみると確かにそーだったなぁ…
さらにゲゲゲの鬼太郎という作品は一度実写映画化されておりますが、その時のねこ娘は田中麗奈が演じておりました。まぁここは許す(笑)
さて貧しい人を騙して大金を手に入れたねずみ男。
俺はスリッパなんて今でも履きませんけどね。便所スリッパはもちろん意味があるとして、部屋の中でスリッパ履く意味がどこにあるの?
そして調子に乗るねずみ男。
内藤洋子、また凄い名前が出ましたね。今70代くらいの人達がちょうどの世代なのかもしれませんが、東宝スター女優の1人ですね。そうですね、今の時代で言うなら…有村架純くらいの感じでしょうかねぇ。
つーわけでねこ娘がねずみ男をお仕置きするいつものパターンへ。
実はねこ娘もねずみ男と同じく人間と妖怪の間に生まれた半妖怪。なるほど、だから純粋な妖怪である砂かけや子泣きあたりと比較するとやや戦闘力に欠けるところがあるのかと納得してしまいますね…
それにしてもやはり気になるのはねこ娘のビジュアルの変遷です。原作で登場した頃はいかにも妖怪ですが、アニメ版の変遷は恐ろしいほどです。
時代というものがよく分かります。初期のねこ娘はもう世の中に受け入れてはもらえないんだという切なさをひしひしと感じてしまいますよ…