修羅の門もついに最終巻です。
さて九十九vsレオン、マウントポジションでレオンは打撃からこう繋げます。
アームロックの中でもV1アームロックと呼ばれる極め方です。アームロックと一口に言ってもそのパターンは山ほどあるんですよね…
アームロックという言葉の響きから勘違いしがちなんですが、極めているのは腕ではなく肩関節です。簡単に言えば「前にならえ」状態の腕をそのまま背中方向にもっていくようなイメージでしょうか。
がしかーしこの流れすらも読んでいた九十九、わざと肩関節を外しておいての…
逆にいうとここまでやらないとマウントポジションからの脱出は難しかったということです。体格の小さな九十九にとってはなおさらなんです。
さてこれで右腕が使えなくなった九十九ですが…
九十九「ここからは殺し合い…って事だ…なら…陸奥圓明流の方が…」
この左ハイキックは掴まれてしまいますが…
ハイキックやミドルキックを掴まれた後、逆の足で飛び回し蹴りにいくというシーンはよくあります。がしかし踵落としにいくのはさすがに見たことありませんねぇ…
そんなわけでもう打撃で戦うしかない九十九、懐に入りたいレオン、両者がついに交錯します。
ここで無空破!
そんなわけでもう打撃で戦うしかない九十九、懐に入りたいレオン、両者がついに交錯します。
ここで無空破!
無空波を作中でくらった経験があるのは過去6人のみ。虎彦、宮本武蔵、龍造寺徹心、海堂晃、アリオス・キルレイン、そしてレオン・グラシエーロ。がしかしレオンが他の5人と異なるのは、無空波への対処策を事前に用意していたという点です!
なるほど…拳を高速振動させることによって振動波を相手の体内に叩き込むのが無空波であるならば、振動する拳自体を抱え込んで止めてしまえばいいと。簡単な方法のように思えますが、拳が触れると同時に振動波が送り込まれる無空波に対してこれを実行するためには相当の先読みが必要です。九十九の右腕が使えないという限定された状況だったからこそハマった返し技ですね…
つーわけでハリスを瞬殺したレオンの必殺技、再び。
修羅の門においてこれほど絶対の技は他に見つかりませんね。レオンにこの形に捕らえられたら間違いなく「死」です。アリオスだろうがイグナシオだろうが、この形に捕らえられたら死体とならない限り逃れることはできません。
頭突き(笑)
つーわけで両腕が使えなくなった九十九、なのに舞子ちゃんが無茶を言います。
まぁ舞子ちゃんに言われるまでもなく、ストーリー的には間違いなく九十九が勝ちますよ。九十九が負けると予想するような純粋無垢すぎる読者はさすがにいないでしょう。問題は両腕無しでどーやってレオンを倒すか、その一点です。両腕無しで出せる技なんて旋か斧鉞くらいしかありませんからね…
さて九十九vsレオン、両者の戦いは修羅vs悪魔の戦いへと変容。
噛みつき、これは戦いにおいて野蛮な行為ととられがちですが、実はこれほど有効なものはありません。噛みつき・目潰し・金的、なぜこれらが格闘技において禁止されるかというとあまりにも強力過ぎるからです。ケンカの時にこの3種類の攻撃のみを集中して繰り出せば勝てちゃいますからね。もし本物の殺し合いというものが合法化されてスポーツ化されたとしても、この3種類の技しか出ませんよ、たぶん…
つーわけで両者の戦いもついに大詰め。
レオン「こいつが心の底から恐ろしい…」
九十九「あんたが怖い…腑が震えるほどに…」
がしかし九十九にはリーサルウェポンがあります。どんな逆境をも跳ね飛ばす、この秘密兵器!
何度も言ってますが修羅の門において舞子ちゃんが叫んだときの九十九と、帯ギュにおいて保奈美ちゃんが叫んだ時の巧は無敵です。逆に言うと舞子ちゃんがいなければ九十九は3回は死んでます(笑)
だけども今回舞子ちゃんは現場にいないんです。舞子ちゃんは日本、九十九はブラジルなんです。
「~もん」という表現、子供や女の子が使うぶんには可愛らしくていいんですが、おっさんが使うとやはり痛々しい感じはしますな。だけど田舎育ちの人間はなかなか抜けないんですよね…つーわけで舞子ちゃんの声援は音速以上のスピードであっさりと地球の裏まで届きます(笑)
そしてここから一瞬でレオンの背後に回った九十九、振り向いたレオンの目に映ったのは…
簡単に言えば「3体の残像を残して本体は敵の背後に回る」というトンデモ技です。多重残像拳です(笑)
ちょっと速すぎてよく分からないんですが、仰向けにレオンの股の間を滑り抜けたというわけではなさそうですけどね。朱雀と同じように一瞬で背後に回ってから滑り込んだとみる方が妥当ですかね…
頭突き(笑)
まさか最後は頭突きで倒すとは意外でした。が、これが陸奥圓明流の玄武!
…まぁこれが本来の玄武の形だとは思えませんけどね。本来はやはり後頭部に両肘でも叩き込むのがセオリーでしょう、だって頭を武器に使うのはやはりリスクが大きいですからね。だけど玄武とは亀を意味してますからね、そこからすると頭突きで決めるのが本来の形だという可能性もありますかね…
さてこれで致命傷を負ったレオン、がしかし戦うことをやめないのでミゲールはタオルを投げようとしますが…
ビクトル「よせ、ミゲール!」
ミゲール「父さん!父さんはここまできてなおレオンに勝ちを求めるのですか…負ければラモンと同様グラシエーロではないと言うのですか!」
スポーツならもちろん死ぬ前に止めますけどね。2人がやってるのはスポーツでもなく格闘技でもなく殺し合いですから。どちらかが死ななければ終われないし、負けて生き永らえるなんて選択肢もないんですよ…
そんなこんなでレオン死亡。後日九十九はアニータの前に優勝賞金を投げ出しておいて欲しけりゃ取れと。当然取りにいくアニータに…
そりゃ酷い(笑)餌をぶら下げておいてのこの仕打ち、九十九は修羅じゃなく鬼です(笑)
そして立ち去る九十九、まぁ大金を手に入れたスラム街の子供達がどのように転落していくのかは知ったこっちゃないということです(笑)
そんなわけでケンシン・マエダを探しにコロンビアのジャングルへと向かう九十九。
舞子「夢を見たわ。ジャングルの中を歩いてるの…あいつ。でね…叫んだの。「いつかちゃんと帰ってきてね…」って。」
お母さん「そしたら…⁉︎」
ふぃ~これで修羅の門完結!
曖昧なままに俺が高校生の頃に連載が終わったんでしたけどね、その後海皇記を挟んで14年後に再び連載が再開します。最近そーゆーの多いんですよね、キン肉マンしかり、げんしけんしかり。つーわけで修羅の門は完結ではなく、修羅の門第弐門へと続きま~す。