さて舞台は秋季都大会、栄京戦。8回の表、栄京2点リードながら2アウト1.2塁で打者は比呂。
基本的に野球においては外角のボールを中心に投球を組み立てます。まぁその理由はいろいろとあるんですが大きな理由は2点です。まず外角は際どいところを攻めやすいという点。内角の際どいところで勝負してるとデッドボールになりかねないので。そして最も重要な点は外角の球は長打されにくいという点です。もちろん外角の球をホームランされちゃうこともありますが、基本的に打球というものは引っ張った方が飛ぶもんなので、引っ張られにくい外角で勝負してれば大怪我は防げる、これが外角に投げる最大の理由です。
じゃあ内角攻めには意味が無いのかというと、そーではありません。内角球のメリット、それはストライクボールの見極めが難しいという点と、突然の内角には打者は対応しづらいという点です。外角を軸としながら内角の球もときおり見せる、これがピッチングの常道です。
さて比呂の打球はライト線上に落ちる長打コース、ここでライトからの中継に入ったのは肘を壊してる広田!
基本的にファーストは中継には入りません。がしかし、センター方向の打球の場合はファーストが中継に入ります。センター方向の場合はセカンド、ショート共に打球を追ってしまうがゆえにこの両ポジションが中継に入るとセンターからの距離が近くなりすぎちゃうんです。なのでこの場合にはファーストがピッチャーマウンド上でカットに入ります。まぁ草野球レベルではそこまではやりませんけどね…
そんなこんなで千川は9回表に島のランニングホームランで逆転。
木根「ツイてやがらァ。」
ひかり「あらためて招待しようとしてるのよ、甲子園が…ツキがなかった夏のお詫びにね。」
木根「甲子園がいちいちそんなこと気にしてたら出場校を何校増やしたって間にあわねえよ。」
ひかり「比呂は特別よ。甲子園で投げるために生まれてきた男なんだから。」
木根「あのなァ、そんな男は日本中にごまんといるんだよ!」
甲子園で投げるために生まれてきた男、すなわち甲子園で大活躍した投手はプロでは大成しない、そんなジンクスがあります。甲子園優勝投手でプロ入りしたのは75人、そのうち通算100勝を果たしたのが桑田や松坂を含めたったの7人しかいないというのがこのジンクスの論拠なんですが…まぁマー君は間違いなく100勝突破します。そして藤浪もおそらく100勝はしてくれるでしょう。阪神の投手としては村山さん以来となる200勝達成を藤浪に期待してしまうのは時期尚早か…
さて秋季都大会も決勝戦、最後は4-6-3のダブルプレー。
ボールをグラブで捕球後、利き腕に持ち替えずにそのまま投げることを「グラブトス」といいます。まぁ一番グラブトスを見る機会があるのはスクイズ処理の時ですが、この柳のようにセンター前への打球を逆シングルでキャッチしそのままショートにグラブトスする逆シングルグラブトスはセカンドの最高の見せ場です。これがホントに上手いのはやはり中日の荒木。いとも簡単にやってるように見えますが、実際は思ったところにボールを飛ばすのはメチャ難。プロ野球の好プレー集を見てると必ず登場する、まさに内野守備の花形プレーですな…
つーわけで千川優勝!
秋季都大会を優勝すれば選抜は間違いなく決定的です。がしかし秋季県大会を優勝しても選抜には出場できません。県大会からさらに地区大会で好成績を収めないと選抜には出れないんです。つまり東京都と北海道の高校に限り、県大会優勝=選抜出場確定なんです。はっきりいってこの仕組みは好かん。確かにね、県内で野球部のある高校の数は東京が約260校、北海道は約250校、これに続くのが神奈川の190校くらいなんでね、高校数という点からすれば北海道と東京を特別扱いすることにも合理性はあるとも思える。がしかしね、毎年少なくとも15の府県は選抜に出場することすらできずに悔しい思いをしていることを考えると、北海道と東京の代表は選抜から落選することはあり得ないというこの扱いは不平等ではないかと俺は思うんですよ。だからさ、夏の予選と同じように北海道は南北に分けてその勝者を東北地区予選に出場させたらええねん。東京も同様に東西に分けて戦わせた後、関東大会に出場させるべきではないかと俺は思うんですがね…
さて選抜に向けて練習に励む千川、春華ちゃんも打席に立ってみます。
不思議なものでごく一部の例外を除いて女の子ってのはまともにスイングができない生き物です。なんであんなに簡単な事ができないんでしょね?
さてここで比呂と春華ちゃんはデートへ。行き先は「あだち充展」
右のが誰でも知ってる名作「タッチ」真ん中は「みゆき」でしょ。想い出がいっぱいは名曲でしたね…そして左は「ナイン」ナインは俺が生まれた頃の作品やからね、あだち充は長命だわ…
さらに…
右上は水泳漫画「ラフ」右下はあだち充には珍しい時代劇物「虹色とうがらし」、真ん中は「陽あたり良好!」タッチ→陽あたり良好であだち充の地位は確立しましたな。そして左は「スローステップ」これは読んだことない。何故読んだことないのか、調べてみたら分かりました。このスローステップが掲載されてた雑誌は「ちゃお」だったからです(笑)
さらに…
右の「ショートプログラム」は読んだことあるけど、左の「じんべえ」というのは知らんなぁ…
そしてこの「H2」を経て「いつも美空 」「KATSU! 」「クロスゲーム」と続き、現在連載中の「QあんどA」「MIX」へと連なるわけですな。よくよく考えてみるとあだち充って凄え…
そんなこんなで木根による外野フライ講座。
常識です、こんなのは。だけどもこの常識が難しいんですよ。なぜならフライに対しては本能的に落下点に入ってしまうからです。本能に逆らわないといけないプレーってのはムズいんよね…
そしてここで比呂の恋敵が登場。
帰国子女の三善くん。どーもあらゆる漫画において帰国子女ってのは良い描かれ方をされていないように思いますが。まぁ俺も帰国子女は嫌いです、そもそも「子女」という呼び方が偉っそうで鼻につくねん!
そんな三善の策略でケンカしちゃった比呂と春華ちゃん、比呂は自ら身を引こうとすら考えますが…
比呂「古賀。がんばれよ。意外といいやつみたいだな、三善っていったっけ?あいつ。」
春華ちゃん「国見くんほどじゃないけどね。」
こーゆー事をスラッと言える春華ちゃん、良いです女の子はね、ちょっと恥ずかしいくらいのセリフをどんどん言う方がいいと思います、なぜなら男はそんなセリフを言いはしないから。まぁそーゆー事を言える男もいることはいますが、たいがいロクな奴じゃないからね…
さてそんな春華ちゃんを部屋に軟禁した三善に対し、向かいのビルから投げ込まれてきたのは硬球!
最強の格闘技は何か、その議論はあくまでも「素手」での対戦を前提としとるわけで、道具を使っていいというんであれば野球はかなり強いですよ。硬球とバット使えるわけですから。仮に格闘技以外のあらゆるスポーツが大乱闘したとしたなら…真っ先に敗退するのは防御力皆無の水泳かね(笑)サッカーやバスケも即敗退でしょう。砲丸や槍を使える陸上も強いかもしんないけど…生き残るのはやっぱアメフトとアイスホッケーかねぇ…
そんなわけで春華ちゃんを助け出した比呂、人生初の告白。
春華ちゃん「十分通じるよ。」
「I love you」という言葉を人生で使う機会ははたしてあるのでしょーかね?日本人相手にこんな事言うわきゃないし、仮に外国人にベタ惚れしたと仮定しても「I love you」なんてよー言えんわ…
そして千川の選抜出場も決まり、東京には大雪が。
俺は暖かい瀬戸内育ちの人間なんでね、豪雪というものの経験がありません。雪が積もるってことが滅多にないがゆえに、積もった時のはしゃぎっぷりは凄かったですよかまくらも一度だけ作れたことがあります。まぁ雪が足りなくて後ろ半分はコンクリ塀でしたけど、それもいい思い出です…