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改訂版きよの漫画考察日記74 うしおととら第17巻 後編

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第52章「鳴動天 開門す」
さて人間たちと同様に潮の事を思い出した妖怪たち。東の長、神野、一鬼、イズナ、雷信、かがり、威吹、求嵐、皆が潮に対して謝罪するのに対して潮は…
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イズナ「なんだようしお、おかしくなったのかよ。オレ達はこれからあの白面と戦うんだぜ。あんなに強えヤツとこんな不利な状態でよ…死んじゃうかもしれないんだぜ!」
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「みんな知らねーと思うけどお役目のおばさんっていたんだ…その人が言ってたんだ…みんな仲良くしろって…オレ、それ人間だけのハナシかと思ってたんだ…でもちがうんだ。人間だけじゃ白面にゃ勝てねえ…もちろん妖だけでも…白面は強いさ、ああ、獣の槍だって人間の自衛隊だってやられちまった…だけど…人間と妖が一緒に戦ったら…わかんねえよな…」
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結界を張ることができる防御力と組織力に優れた人間、組織力は人間に劣るものの個々の戦闘力では人間を大きく上回る妖、両者が手を組んだら…そりゃ強いですよ!

つーわけでこんな事言われて奮い立たない奴はいません。
東の長「…気づいたか…西の…」
神野「ああ…東の…たった数言で妖どものおびえさえもぬぐい去ってしまいおった…」
東の長「後ろを見ずに前を向く…これが…闇に住む我々がついにはかなわぬ…」
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潮のキャプテンシーが炸裂しましたな。どんな集団にも1人はいるんですよ、優れたキャプテンシーを持つ男ってのが。そして潮のキャプテンシーは種族の違いごときは簡単に乗り越えちゃうんですよね…

さてその頃岩手県。小夜さんが母親から伝え聞いたこの話を実行に移します。
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ここで白い髪の一族と冥界の門が繋がりましたかぁ…おそるべし、藤田和日郎の構成力。

つーわけで小夜さんが冥界の門を開けます。
小夜
「おかあさん…あのね…私はこの世が好き…この世が私に笑いかけてくれるかぎり…小夜はやるわ…」
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この門を小夜さんが開けていなければ、白面が勝利してたかもしれません。影のMVP、鷹取小夜です。

さーて潮の下へと集合しようとする獣の槍の破片、しかしそれが白面に阻止されたと思った瞬間…冥界から援軍到着!
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勇雪丸かぁ!
いかん、ちょっとホロリときちゃった。勇敢なる海の男達の魂が帰ってきたと思うと、目頭が熱くなっちゃいますよ…

つーわけで勇雪丸が作ってくれた時間を使って、潮がいつものあのセリフを叫びます!
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いつものセリフなんですが、これも聞けるのが最後かと思うと寂しいもんですね…

がしかしコナゴナになってる獣の槍の破片、ここからどーなるのかと思いきや…
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さぁ、ここからどーなる⁉︎
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全く意味が分からん(笑)
藤田和日郎の展開力は認めてます、伏線回収というものに関して藤田和日郎以上の漫画家はいません、だけどもこのシーンだけは全く意味が分かりません。とらの体内を経由することによりギリョウとジェメイの兄妹の化身ともいえる獣の槍がなぜ復元するのか、誰か理論的に俺に説明してくれ…


つーわけで復活した獣の槍と共に最後の戦いへと赴く潮。この戦いにより潮の魂は全て槍に吸い取られて獣と化してしまうことを知ってる潮ですが…
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衝突を繰り返してきた2人ですがね、だからこそ繋がる想いってのもあるもんです。

つーわけでついに潮は封印の赤い布を全て引きちぎります!
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獣の槍が赤い布によって封印されて以来、この布は常に獣の槍の力を封印し続けていたわけです(オヤウカムイ戦でも半分くらいしかちぎってない)。つまり獣の槍の全ての力が解放されるのは実に2000年ぶりだということです!

つーわけでまず潮と対戦するのはうしおととらにおける最強妖怪の一角、シュムナでしたが…
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瞬殺!
「霧は散るもんさ。」
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見事なポージング(笑)ジョジョ立ちならぬ潮立ちですかね…

つーわけで潮vs白面、第2ラウンド!
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「冴」と書いて「ご」と読むのが正しいのかどうかは知りません。とりあえず意味合いが伝わるのならばそれはそれで良いのです。


そしてこの一撃と同時に結界発動!
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お役目になりたてのわりには真由子は頑張ってます。この辺りからうしおととらにおけるメインヒロインの地位が麻子から真由子へと移ります(笑)

がしかし白面本体は封じても尾を封じるのは忘れてたうっかり者のお役目とハマー。だけどもしかし、白面の尾はこいつらが封じます!
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二万体も作ってたとは驚き。おそらく華鎚製造工場の工員達が不眠不休で生産ラインをフル稼働させたんでしょう(笑)

がしかしそれでも動こうとする白面にトドメの結界!
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見逃してはいかんのは、紫暮の後ろにちゃんと照道さんも参戦しておる点です。ここに参戦できないんじゃ光覇明宗の僧侶をやってる意味が無いですからね…

つーわけでさすがに劣勢の白面、ここでとっておきの手段に出ます。

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くっくっく、残念だったな白面…紅煉は来れねーんだよ。なぜなら…なぜならヤツがいるんだからな!




第53章「約束の夜へ」

さて舞台は東京のとある母娘。
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こんな母親がおったら髪の毛掴んで引きずり回すけどのぅ!

そしてそんな母娘の前に紅煉。
紅煉「ほほォ~人間はみな逃げたと思ってたら…こんなトコにいるじゃねえか!」
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そうはいかん。そう思い通りにはさせん。この男がそれを許さん!
「子供を喰うのかキサマ…やってみろよ。オレの目の前で…今一度…」
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あかん、白面との最終決戦よりもこっちの方が盛り上がっちまうわ。やっちゃえ鏢さ~ん!
とはいえさすがに作中屈指の力を誇る紅煉に対して劣勢の鏢さん。
紅煉「気分いいぜえ!ああ!まったくいい気持ちだ!おめえの無念さがオレを気持ちよくさせるのよ。オレに喰われた女房や娘の仇も討てず、おめおめ死んでく恨みが快感だぜ!」
「ふふっ…気が…合うな、紅煉。私もいい気分なのさ…私のこの…青い浄眼が…」
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「急々如律令」とは「律令のように迅速に行え」という意味で漢代の公文書の末尾に記載されていた文言です。それがやがて陰陽道における結びの呪文へと変化していったわけです。

さてさて見ず知らずの母娘をかばいながら戦っていた鏢さん。
「…その子は…いくつになる…」
母親「え…な、七歳くらい…」
「こいつと私が戦い始めてから…ずっと…」
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親は子供を守るもんなんですが、実は子供だって親を守ろうという意思はあるということですかね。たしかに子供はいつも親のそばを離れませんが、それは守ってほしいからじゃなく守ってあげたいからなのかもしれないなぁ…

つーわけでようやく娘を愛することを知ったバカ親。
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この戦い、鏢さんの勝ちです。理由は簡単ですよ、この母娘を紅煉に喰わせるなんてことを鏢さんが許すわけがないからです!

つーわけで鏢さんは紅煉の雷を左眼の青水晶で吸い込んでおいて…
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作戦としてはアリなんです。あまりに強大な敵は外部からじゃなく内部から破壊してしまえというのは作戦としてはアリです。がしかし、この青水晶を起爆させる物がもう鏢さんには残っていないんです。一本の鏢も一枚の符すらも残っていない鏢さん、さぁどーする⁉︎
「天地より万物に至るまで…気をまちて以って生ぜざる者無き也。邪怪禁呪悪業を成す精魅…」
紅煉「けっ…ここへきてついにおかしくなりやがったか…!!
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自らの肉体に符を縫い付けていた鏢さん、これでこそ最強の符術師です。漫画やアニメには符術師がちょこちょこ登場しますが、ここまでの覚悟を秘めた符術師はいません!

そして…そして最後の一撃はもちろんこれ!
「天地万物の正義をもちて微塵とせむ。」
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「禁」たった漢字一文字なんですよ、だけどもこの一文字に鏢さんの想いの全てが詰まってます。鏢さんの苦労の全てが詰まってます…

つーわけで別れの時。
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「な…」
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「今…帰ったよ…あけとくれ…」
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何度も出てきたこの扉、何度も鏢さんが思い出していた血まみれの部屋、だけどやっと鏢さんも悲しみから解放されます。
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この「おかえりなさい」という言葉にはさ、復讐のためだけに修練を積み人を捨てて鬼と化した鏢さんが、死ぬ間際に再び人として戻ってこれたという意味合いもあるのかもなぁ…

そして旅立つ鏢さん。
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今この世に生きる全ての命を守るために戦う潮、今はもうこの世にいない人の尊厳のために戦った鏢さん、目的は違えどその崇高なる魂に違いはない。

…さよなら、鏢さんしょぼんしょぼんしょぼん




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