怒涛の新タイトル攻勢、ラストはこの作品。
リアル!
スラムダンクで漫画界の頂点を極めた井上雄彦、がしかしスラムダンクが凄すぎたがゆえにもうバスケ漫画は書けないだろうと多くのファンが思っていたことでしょう。がしかしその予想を覆して再びバスケ漫画と向かい合った井上雄彦の勇気に賞賛を惜しみません。
さーてまず登場するのはこの男!
リアルという物語は野宮、戸川、高橋の三人が直面する現実(リアル)の物語ですが…1巻の表紙を見てもさ、真の主人公は戸川ではなく野宮なのかもね…
そんな野宮のクラスメート、西高バスケ部キャプテンが…
とにかく嫌な奴として描かれてはいるんですがね、だからこその高橋です。性格が良い高橋なんて魅力がありません。
さて野宮のアフロはこの人をイメージしてました。
こーゆー脱線ができるのはバスケ好きとしては楽しいことです。日本ではなかなかNBAの認知度は上がらないんですが、さすがにマイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、シャキール・オニールに次ぐくらいの知名度がコービーにはあるでしょう。コービーの何を語ればコービーの凄さが伝わるか、それはやはり1試合の得点数でしょうね。2006年に衝撃的なニュースが我々の耳に届いたんですよ「コービーブライアント、1試合81得点」って。これは凄いニュースだったんですよ。NBAでは1試合に30点取れればそれだけでチームのエースとしては合格点です。1試合に40点取れる選手はリーグを代表するスコアラーです。1試合に50点取れる選手は確実に得点王候補に名前が挙がります。1試合に60点取った選手はNBAの歴史において20人くらいしかいないはず。1試合に70点取るというのはあの神様ジョーダンでも届かなかった領域です。そんな中NBA史上2位の記録となる1試合81得点を記録したコービー、神様ジョーダンを越えたかどうかと言われれば疑問ですが、得点能力というものに限定すればジョーダンを越えているのかもしれませんね…
そんな野宮はアフロにする前は坊主でした。
ジェイソン・キッド!
1試合の平均成績は12.6得点・8.7アシスト・6.3リバウンド・1.9スティール、この数字だけみると普通の選手です。がしかしキッドの凄さはそこじゃないんですよ。積み重ねた12,091アシスト、2,559スティールはいずれもあのストックトンに次ぐNBA歴代2位。それでいながら3ポイント成功数通算1,874本はレイ・アレンとレジー・ミラーに次ぐ歴代3位、さらに総リバウンド数も8725本。つまりキッドはどーゆー選手だったのか一言で言うと「オールラウンドゲームメイカー」です。点もリバウンドも取れるのにゲームも作れる万能型PGですね。特にトランジションゲームに関してはキッドほど有能なPGは存在しないんじゃないでしょーか…
さてそんな野宮は高校を中退。
流川+三井÷2ってな感じでしょーか。序盤でのリアルの主役は戸川ですよ、だけど最近は高橋の巻き返しが強いからねぇ、危うし戸川。
つーわけで車椅子バスケに挑む野宮。 これは正直言って凄い。俺もバスケをやってますが、椅子に座ってフリースローレーンの後ろからシュートが届くかと言われればまず届かないでしょう。やっぱ無意識のうちに膝を使ってますからね、上半身の力だけでシュートを打つこの技術は相当のものだと思いますよ…
ちょっと性格が良すぎのような気もしますがね。ところでこの「安積」という苗字、まぁ「東」とか「小塚」とかもそーなんですが…「ず」なのか「づ」なのかが瞬時に判断できんので嫌い。統一できないもんかねぇ…
そんなわけで見学しに来た野宮でしたが…
これ以降野宮は戸川のことを「ビンス」と呼ぶようになるわけですが…はい、脱線します。
おそらくNBA関連の動画で最も多く再生されたシーン、それがジョーダンのラストショットでしょう。ジョーダンには幾つかの伝説的なブザービーターがありまして、それぞれ「The Shot Ⅰ」「The Shot Ⅱ」「The Last Shot」と呼ばれてるんですが、俺はⅡが1番好きですね。あれぞジョーダンのショットといった感じです。
さて青春を謳歌していた高橋、突然終わりを迎えます。
俺は交通事故の経験はありませんが、ダンプにはねられるよりも乗用車にはねられる方がダメージでかいような気はするんですが。乗用車にはねられてボンネットの上転がってフロントガラスにぶち当たるのが一番痛そうな感じがしますけどね…
相手「あっ?何だよ?」
相手「マシン脚?何言ってんだ?ひがむとか…ワケわかんねーよ。」
野宮「シャックは鋼鉄の肉体を持ってる。アイバーソンは全身バネのカタマリ。戸川清春はマシン脚!」
野宮「そのかわり高さはお前の半分しかないぞ。フェアじゃないならお前もマシンにのってみるか。」
こーゆー事をさ、言おうと思えば言える。だけどもこーゆー言葉を言う時に「同情」という感情を頭から排除できないのなら言うべきではないよな。障害を才能だと言えるほどにその人間をリスペクトしている奴だけにしかこんな事は言ってもらいたくないねぇ…