さくらんぼシンドローム、最終巻です。
さて麻生さんと別れ宣伝部に移った阿川くん。
自分でも気付いていない自分の本質というものをさ、分かってくれている上司がいるってのは素晴らしい環境ですよね…
つーわけで1人暮らしに戻った麻生さん。
麻生さん「一人の生活に戻って、すべての部屋の…明かりを付けてまわるクセがついた…」男と別れた後の女ってのは失った温もりを寂しがるものなのかもしれません。女と別れた後の男ってのは解放された自由を満喫するんですけどね(笑)
そんなこんなで島谷に拉致されたれな、頼みの綱の阿川くんは交通事故で重体。再び若返りの危機を迎えてしまいます…
れな「こんなになっちゃったけど、やっぱりキスしてくれる?」
阿川くん「あ…当たり前だろ!約束したじゃないか、オレは死ぬまで…」
れなの若返りを抑制する特効薬がギリギリで完成してましたとさ。
この絶妙な表情、お見事ですな。喜ぶべきことなんですよ、れながもう若返りの危険にさらされることがないということは。だけどなぜか生じる喪失感、それを非常に上手く表現できている表情ですよね…
つーわけで事故からのリハビリが待ってる阿川くん。
阿川くん「歩けるようになっても、今の職場に復帰できるかどうか…」
れな「ずっとずうっと…メンドウみてあげる。」
阿川くん「せっかくオレなしで、一人で生きていけるようになったんだから、自分の好きなことをやるべきだよ。」
れな「ううん、私がやりたいの。今まで私のために一所懸命つくしてくれたじゃない。今度は私の番だよ。」
阿川くん「れな。それは好きとは言わないよ。これまでは二人一緒にいなくちゃいけない運命だった。」
れな「え…」
阿川くん「これからキミは自分の足で立って、自分の力で運命を切り開くべきだ。」
れな「で…でも。でもっ…」
阿川くん「オレがこう言っても、まだオレのそばから離れたくないというのは、れな…」
うん、いい感じです。この2人のハッピーエンドは別れしかありませんからね…
そんなこんなでカナダに留学することになったれな、阿川くんはひたすらリハビリ。
麻生さん「カナダに留学なんて、あんな子供のナリで大丈夫かしら。」
阿川くん「大丈夫でしょ。中身は、20…21歳の大人だ。」
麻生さん「また一緒に暮らしたいのにって、最後の最後まで言っていたわ。」
阿川くん「大きくなればすぐに恋をして、オレのことなんか忘れるさ…」
阿川くん「大人になっていない人間が、他者を愛することなんてできないんだよ。そう、昔のオレのように他人から支えられていることに無自覚なまま一人前の大人をきどっているのも未熟なら、運命の愛だとかそんなものにすがろうとするのも、ただ自分が孤独になる勇気がなかったからだ。まだ大人じゃない証拠だよ。」
麻生さん「だかられなを…旅立たせたのね。キミも大人になったのね。」
麻生さん「また一緒に暮らそうか。」
阿川くん「でも、オレと暮らしてもいいこと…ないよ?」
麻生さん「いいか悪いかは、私自身が決めることよ。私は自分の足で立っている大人だから、いいの。」
うん、これは非常にいいかも。どいつもこいつも結婚式では「運命」という言葉を使いたがりますがね、その相手が運命の相手かどうかなんて事が結婚の時点で分かるわけがないんです。麻生さんのこの言葉、名言殿堂入りで良いんじゃないかねぇ…
そんなわけで10年後、カナダから帰ってきたれな。 うん、これは非常にいいかも。どいつもこいつも結婚式では「運命」という言葉を使いたがりますがね、その相手が運命の相手かどうかなんて事が結婚の時点で分かるわけがないんです。麻生さんのこの言葉、名言殿堂入りで良いんじゃないかねぇ…
黒くて長い髪にも、メガネにも、コンプレックスをもたない(でも高い背には少しあるのか、あまり高くないヒールの靴をはいた)、素顔のままで笑っているれなを描いてみました(作者談)。うん、まさにその通りだと思います。漫画のラストカットとしても100点満点だと俺は思いますけどね。読み終わった後に清々しさというか清涼感というか、爽やかな気持ちになれる最終回ですね…